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たかちゃんの受難3

昼休みになり、凛は渡来の席の方へ行った。いつもは二人で食べているが、まさかその流れになるわけあるまい。 渡来の方を見ると、おろおろと凛と俺を見ていた。 俺と凛が一言も会話しないとか、二人一緒じゃないとか、どこからどう見ても喧嘩にしか見えないのだろう。 渡来を心配させてしまって申し訳ない。 だが俺から謝るつもりは毛頭ない。 なんで俺が謝らなきゃいけないんだ。凛の部屋をわざわざ掃除してやって、整理してやって、ただそれだけなのに。 凛だって今までずっとまんざらでもなさそうにしていたくせに。 思い出すだけでふつふつと怒りが湧いてくる。 「とーどろきくん」 「……間宮?」 俺が一人で弁当を広げようとしていたら、隣の席に間宮がやってきた。 珍しい。渡来と一緒にいないのか。 「小室くんと喧嘩したの?」 「だったらなんだよ」 「いやー珍しいと思って」 たった今イライラしていた内容を指摘されて、さらにイライラする。そもそも間宮の顔にからかいの色が見えて、普通にムカつく。 「渡来のところ行かなくていいのかよ」 「亜樹は小室くんのお相手してるから」 間宮の視線に合わせて視線を動かすと、凛と凛の話に付き合う渡来の姿が見えた。 どうせ俺の文句でも言っているのだろう。 文句を言いたいなら俺に直接言え。というかなんであんなに怒ったのか理由教えろ。 「苛立ってますねぇ」 「うるせ」 間宮は隣の席で弁当を広げ出す。俺も渋々弁当箱を開けた。 箸を掴んで乱暴に飯をかきこむ。 「仲直りしなよ」 「俺は謝らない」 「えー……」 間宮の言葉にぶっきらぼうに返事をして、凛がいる方に視線を向ける。 ばちっと視線が合って、急いで逸らした。

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