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りすと思い出4
「ん、んぅ……」
久々に凛に触れたせいか、とても心地よく、とても気持ちいい気がする。
女の子みたいに柔らかい唇も、華奢な体も、やはり大事で、愛しい。
俺も凛も夢中になって互いを貪った。
「んむ、あっ、ンッ……」
凛の声がどこか艶やかで脳をくらくらさせる。
これ以上はいけないと思ったところで、俺は唇を離した。
「……たか、ちゃん……」
「どうした、凛」
凛は頬を真っ赤に染めて、唇を赤い舌でちろりと舐める。そしてきゅっと口元を引き締めると、俺の胸に顔を埋めた。
「酷いこといっぱい言って、ごめん」
「俺も勝手に捨てちゃってごめんな。大事なもの……なんだよな?」
「……やっぱり忘れてるんだ」
「え?」
胸の中からボソボソ声が聞こえて。俺は驚きで目を丸くした。
「たかちゃんがくれたんだよ、あれ」
「まじ?」
凛が責めるように俺を抱く腕の力を強める。
本当に申し訳ないが、記憶がなかった。見た目からして小さい頃なのだろうが、探れど探れど思い出せない。
凛が話したがらなかった理由はこれみたいだ。そりゃあ相手が忘れていたら拗ねたくもなる。
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