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焦慮の青1

ショート前のざわざわしている教室内。けれど前よりは静かになった気がする。単語帳とにらめっこしている人も、増えたから。 心なしか教室内の空気はピリッとしている。 父と再会したり、凛くんたちが喧嘩したり、色々あったけれど、月日はあっという間に過ぎて。もう十二月になってしまった。 僕の十八回目の、そして颯太の十九回目の誕生日がやってくる月。 そして、センターまであと一ヶ月。 「亜樹〜」 「ん?」 「見て、ミートローフ。美味しそうじゃない?」 「わぁ、美味しそう。それに綺麗」 「でしょ。今夜作ろっか」 颯太が僕にスマホの画面を見せて微笑む。 画面にはミートローフの画像が並んでいた。四角いハンバーグの真ん中に、ゆで卵が入った料理。可愛いし、美味しそうだ。 今夜作るという約束を固めると、颯太はご機嫌そうに前を向いた。 「おはよーさん」 同時にガラッとドアが開いて松田先生が入ってきた。 その手には出席簿だけではなく、紙束。 「じゃあまずこの間の模試返すから。取り来い」 そう、模試の結果。 最近はセンターが近いし、そもそも二次試験だって近づいているから、模試の数は多い。毎月あるのと、別でセンター模試とか、色々。 出席番号一番の人から順々に取りにいく。 松田先生が途切れることなく苗字を言って、事前に待っていた生徒に紙を渡して。ぞろぞろと人が列を連ねる様子に、めまいがしそうだ。 結果を見たクラスメイトは一人で落ち込んだり、喜んだり、隣の席の子にやべーなんて言ったり。 だけど着実に、教室には重い空気が積まれていく。

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