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焦慮の青2

「間宮〜」 「はい」 颯太が松田先生から結果を受け取って、見ながら席に帰ってくる。席に着いた途端それを二つに折ってファイルにしまっていた。 「模試ばっかでやんなるね」 「……ああ、うん。そうだよね」 僕の視線を感じたのか、颯太はそう言って笑う。べーと舌を出して、げんなりした表情を作っていた。 僕はそれに薄く微笑む。 「綿貫〜」 「あっ、行くね」 そろそろ呼ばれる番だ。僕は颯太に断って席を立つ。 わ行の苗字のクラスメイトが何人か結果を受け取って帰っていく。 「ほい、渡来」 「ありがとうございます」 そして僕の番になって結果を受け取った。手汗で微妙に紙が滑る。 僕は一旦席に戻る。松田先生がショートを始めるのをよそに、そっと紙を開いた。 「……」 きゅっと唇を噛みしめる。 まただ。また、変わらない。 センターが近い。二次試験も近い。 それなのに僕の合格率はC。 ここのところ最近ずっとそうだ。この英字のまま、ずっと変わらない。何回も模試をやっているはずなのに。 どうしよう。これでは受からない。 受かるはずがない。 そうやって僕の中には焦りがたまっていく。 ちらりと隣の颯太を見た。 松田先生の言葉をなんとなく聞いている感じだ。先ほどの会話を思い返してもそうだが、最近の颯太は他の人より余裕がある感じだ。 この時期だと追い詰められる人が出てきてもおかしくない時期なのに。 きっと颯太はいつもAなのだと思う。颯太みたいな頭のいい人が、危うい結果を出すはずがないだろうし。 僕は手の中の紙に、くしゃっとしわを作った。

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