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焦慮の青3

シャーペンを走らせる音が颯太の部屋に響いている。 いつも通り僕と颯太は一緒に勉強していた。もちろん会話はない。わからないところがあれば確認し合う程度。 シャーペンを動かしながら考えた。 僕の苦手な科目はなんだろう。数学。 足を引っ張っている科目は。数学。 でも、点数的には社会も国語もまだ伸ばせるはずだ。英語だって。まだ九割に届いていないのだから。 苦手を克服するのはもちろん、伸ばせる科目を伸ばさないと太刀打ちできない。 まだ僕には足りない部分ばかりだ。 もう一ヶ月しかないのに。 ちなみに今は今日授業でやった数学のセンター対策を復習している。解けなかった問題を改めて解いても、一部わからないところが出てきてしまう。 だめだな。また時間をおいてやり直しをしなきゃだ。全然進まない。全然伸びない。 「亜樹ー、そろそろ夕飯にする?」 颯太が僕のもとにやってくる。僕はざっとテキストに目を通す。 「んー……もう少しやりたい、かも」 「じゃあ俺作ってくるね」 「うん。ありがとう」 颯太は僕の肩に手を添えると部屋から出て行った。すぐに地下に降りる音が聞こえる。 任せてしまうのは少し申し訳ないけれど、今やっておかないと落ち着かない。 僕は一層集中して、目の前のテキストに取り組んだ。

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