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初詣2
一月一日の神社は当たり前だけれど混む。去年と同じかそれ以上くらいだった。
長い列の最後尾に並んだ。やること自体は長くかからないから、列は存外するする進む。
「なにお願いするの?」
「秘密」
「えーけちだなぁ」
「教えたら叶わないもん」
「代わりに俺が叶えてあげるのにー」
「なにそれ」
颯太が文句を言う横で僕は五円玉を取り出す。
こんなくだらないやりとりでも、僕も颯太も笑みがこぼれる。
小さなことで嬉しくなれる。颯太との時間を大切にできる。そんな今の自分が、ちょっぴり好きだ。
「あ、もうすぐ」
「ほんとだ」
気づけばもう前に並ぶのは一組だけになっていた。三人組の人たちがお参りをしている。その人たちがはけたら、僕らの番だ。
颯太と一緒にお賽銭を投げ入れ、願い事をする。
『颯太と幸せに過ごせますように』
僕の願いは最初から決まっている。
願わなくても、叶いそうなことではあるけれど。それでも願いたい。今年は離れてしまう年だから。
長く念じてから、僕は顔を上げた。颯太も終えているのを見て、列からどく。
「亜樹、お守り買おうよ」
「うん」
御賽銭箱から遠のくとすぐに販売所がある。巫女さんの格好をした女の人がいっぱいだ。
今年の干支のグッズとか破魔矢とか、色々売っている。その中でお守りコーナーはすぐ見つかった。
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