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初詣4

「甘酒三つください!」 「はい。ちょっと待ってね」 ちょっと離れたところで甘酒を飲んでいたら、聞き覚えのある声が聞こえる。 「甘酒飲みたい〜貰ってきて〜」 「自分でいけよ」 また別のところからも聞き覚えのある声。 甘酒コーナーとそのすぐ近くと。視線を向ければ、やっぱりいた。 片方は松村くんと清水くんと姫野くんで、もう片方は凛くんと轟くんだ。 僕は颯太を見上げて、服の裾を引く。颯太は僕の肩を優しく撫でて歩き出した。 「おっ!渡来、間宮!!おわっ!小室に轟もじゃーん!」 近づいていくと松村くんが真っ先に気づいた。僕らの方を見て驚いて、同じく近づいてきていた凛くんたちを見て驚いている。 リアクションが忙しそうだ。 「あけましておめでとー」 「おう!おめでとう!」 めいめい新年の挨拶をしつつ、甘酒を手に入れていく。 「松村くん、清水くんたちと来たんだね」 「もうくっついたから二人きりにする必要ねーしな!」 自然とみんなでゆっくり話せる場所に向かいながら、颯太が松村くんに問いかけた。松村くんはガハハって笑いながら、なぜか胸を張っていた。 「ボクは蓮くんと二人きりがいいのに!」 「まあたまにはいいじゃん」 「ぶー」 ふてくされる姫野くんの頬を清水くんは優しく撫でる。すごく濃密な雰囲気で、見てるこっちが恥ずかしくなった。 僕が照れて顔をそらすのと、松村くんが走り出すのが同時だった。 「ここいいじゃん!」 松村くんが神社の端の木陰に駆け寄る。

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