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初詣6

「間宮は都内のままだもんな。さすが学年一位」 「いやいやー褒めたって何も出ませんよー」 「そういうのいらないから」 清水くんが素直にいえば颯太はふざけて返す。 その場で笑いが起こる。僕はうまく笑えなかった。 颯太の成績は周知の事実だから、志望校は隠しようもない。だからこそ辛いものもある。 「お互い寂しいけど頑張ろうね、亜樹くん〜」 「……うん、そうだね」 凛くんと目が合って笑いあう。自然と手が離れて、僕も凛くんもお互いの恋人の近くへ行った。 甘酒を一口飲んでいた颯太は僕の腰に手を回す。 何も言わないみんなが今はありがたい。 「松村はどこ?」 「オレは大阪!」 「うわ、似合う」 轟くんは凛くんの頭をぽんぽんと撫でてあげながら松村くんに回す。 松村くんもすごく頭がいいんだもんな。しかも大阪なんて。陽気な雰囲気にするする溶け込みそうだ。 「関西案内してやんよ!」 「まだ受かってないくせに」 「うっせー!そういう蓮はどこだよ!九州だっけか!」 「そう。福岡」 「ひぇーまた遠いな」 まさかの九州だなんてとどよめきが起こる。清水くんはそんなに遠くへ行ってしまうんだ。 「ボクも蓮くんとおんなじとこだよ。蓮くん追っかけちゃった」 姫野くんはこてっと首を倒しながら言った。 「えっ!でも姫野って十二組だろ!」 「本当は頭いいんだよ、姫野は」 「怒んなよ、蓮ー!」 清水くんが姫野くんの肩を抱いて思い切り引き寄せている。姫野くんは意外なことにその頬を赤らめていた。 初々しい面もあるみたいだ。 清水くんも姫野くんも嬉しそうだから、素直に良かったと思う。

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