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成果の行方2

「センター試験の受付こちらでーす!」 駅から出て少し歩くと、そんな声が聞こえ始める。会場の大学の人が矢印看板を持って道に立っていた。重たい雪がその人の肩に積もっている。 周りには様々な制服を着た人が皆同じ方向へ歩いている。何校くらいがこの大学で受けるのだろう。 「あっ、受付あった」 颯太が前を指す。そこには大学の校門があって、そのすぐ先にテントが張ってあった。 校門前には旗を持った先生たちが立っている。 「松田先生〜」 「おー、間宮、渡来か」 そのうちの一人が松田先生だった。高校名の書かれた旗の隣で、生徒たちを励ましている。 「ほら、好きなの持ってけ」 「ありがとうございます」 僕らも他の生徒と同じように声をかければ、チョコがたくさん入った袋を差し出される。僕も颯太も一つずつもらった。 「頑張れよ。あとは自分の力を信じるだけだ」 にっと笑うその姿がとても頼もしく思えた。会釈をして受付に行く。 受付で受験票を出して、案内の紙を渡されて。 「亜樹、部屋どこ?」 「んーと、これ」 受験番号ごとの部屋割りの紙を颯太と見る。 「うわー、部屋別じゃん」 「え……」 「建物は一緒だけどね」 まさかそんな微妙なところで部屋が区切られてしまうとは。 当然一緒だと思っていたからショックが大きい。

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