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卒業7
「まさに二人だけの世界って感じだねー甘い甘い」
颯太がにやにや笑って、自然と僕の腰に手を回す。僕も同じことを思っていたと、颯太を見上げて微笑む。
颯太のセリフにみんな僕らを見る。
「いや、お前らだけには言われたくないわ」
「もはや当たり前のように腰に手回してるな」
「第二ボタンなんて不要って感じ〜」
次々に反論が来て驚く。
でも確かに颯太が腰に手を回すことを僕は当たり前に受け入れている。前までなら恥ずかしがったりしていたはずなのに。
「いやまあこの中では一番長いし?」
「ドヤるな、間宮」
怒られる颯太に僕はくすくす笑う。そっと体を颯太に預けて、穏やかな時を楽しんだ。
「たかちゃーん、おれも頑張ったから第二ボタン〜」
「今度好きなもん作ってやるっつったろ」
「それとこれとは別〜」
凛くんが轟くんに抱きついて駄々をこねる。
いつも通りの風景だ。そして今日で最後の風景だ。
楽しいけれど、少しの寂しさは否めない。
「ははー!お前らほんと変わんないな!」
「お前もな」
松村くんの言葉に清水くんがつっこむ。その場で笑いが起こる。
みんな笑っている。姫野くんも仁くんだって。
教室で大切な人たちと笑いあう。この瞬間の価値に本当に気付けるのは、まだ少し先なのかもしれない。
「な、みんなの合否わかったら遊びいこーぜ!姫野も仁も一緒にな!」
松村くんが人差し指を立てて提案する。
みんなの答えは一つに決まっている。
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