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番外編[欲と羞恥②]

「さっぱりー」 凛はひとりごちながら、部屋に入った。 昼食を食べ、だらだら過ごし、夕食を食べ、風呂に入り、部屋に戻ってきたところだ。 首にかけたタオルで髪の毛をがしがし拭きながら、凛はゲーム機のコントローラーに手を伸ばす。そこでスマートフォンが振動し出す。凛は首を勉強机の方へ回すと、すばやく手に取った。取るが早いか通話ボタンをタップする。 「たかちゃん!」 『おう。昼ぶり』 「そだねー」 凛は顔いっぱいに笑顔を咲かせて、その勢いでベッドにダイブする。ギシッと大きな音が鳴った。 「今のセックスの時みたい〜」 『お前、羞恥を持てよ』 「んー……ごめんなさーい」 『……』 凛はベッドに仰向けになり、首だけ横に向けた。顔でスマートフォンを固定すると、手を胸元で組んだ。 『シたい?』 「……お前、羞恥を持てよ」 『照れ隠し雑』 「だって〜……たかちゃん、ずるい……」 『凛のことならなんでもわかるよ』 凛はそろそろと服の上から指を伸ばす。ちょんと乳首に触れる。 「……ん」 ふるりと唇を震わせる。艶めかしい吐息が漏れた。凛は咄嗟に口元に手を当てる。 『なんかあった?』 「違う、よ……最近会って、んっ、ないから……」 服の上から乳首を触る。くりくりと摘んだり、押し潰したり、引っ張ってみたり。服の上からでもわかるほど乳首は膨らんでいる。 凛の頬は紅潮し、瞳は悩ましげに閉じられる。 不思議なくらいに興奮していた。

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