8 / 961
夜の出会い8
後ろにピタリと添えられる指。
この先に起こることがわからなくて、いや、なんとなくわかるけど理解したくなくて、僕はコウさんを見つめる。
するとコウさんはニコッと笑った。
ああ、そんな顔も綺麗だなあ、なんて頭のどこかで考える。
「いくよ、亜樹」
「まっ……」
ずぷぷっと先ほどよりも太い指が侵入してくる。僕の出したもののおかげかするすると奥まで届く。
「やっ、やあっ……まだ、イッたばっか……!」
「ごめん。俺もう限界なんだ」
まだ射精の余韻が残る体に快感が追加されていく。
排泄器官でそう感じてしまう自分が怖い。とめどない快感も、怖い。
二本の指がばらばらに内壁を擦る。そしてコウさんの爪が、不意に中の膨らみを掠めた。
「ひぁっ……!? いやっ……だめっ……!」
ビクッと体が跳ねる。急に強くなった快感に目を見開いた。
そんな僕の様子をコウさんが見逃すはずもなく、同じ場所を指が狙う。
「やっ、あぁっ……やだっ……」
強すぎる快感が怖くて仕方ない。でも目を閉じるのはもっと怖い。
目を閉じたら、消えてしまうかもしれない。何もかもなかったことになるかもしれない。そんな馬鹿みたいな恐怖が僕を締め付ける。
だから荒い息を吐くコウさんを見つめた。涙で潤む瞳を必死にこじ開ける。
するとそれに気づいたコウさんが僕の頭を撫でてくれる。
それになんだか安堵して、へにゃっと締まりのない顔になった。
「あーもう、亜樹」
「……? んっ……」
きょとんとコウさんを見つめると、二本の指が引き抜かれる。そして唇を塞がれた。
当たり前のように入ってきた舌。僕の口内を弄ぶそれを気づけば僕の舌は追っていく。
すっかりキスに夢中になっていると、後ろの孔に熱いものが当たる。
ともだちにシェアしよう!