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夜の出会い9

「んっ! んんっ……」 「亜樹、挿れるよ」 「へっ、ま、まだっ……ひぁあっ!」 指とは比べ物にならない重量感。 熱くて、お腹は苦しくて、涙がボロボロこぼれた。 本来そこには何も入れないのに。絶対そんな太いのは入らないのに。 未知の感覚に喉が詰まる。また視界がくらりと回った。目に映るコウさんも、回る。 「ひっ、やっ……怖いっ……コウさん……」 「息吐いて、亜樹」 コウさんが耳元でそっと囁く。僕は必死に息を吐いて、それから吸った。その呼吸に合わせて、太いものがゆっくり、ゆっくり、奥に迫る。 「んっ、はぁっ……苦し……」 「もう少し……」 きっとコウさんの方が苦しいだろうに、急ぐようなことはしなかった。そっと僕の頭を撫で、時々キスをして。 優しいその動作に、視界の揺れが収まっていく。 「ん……挿入ったよ」 「……えっと……」 そしてじっと耐え続ければ、コウさんと僕の腰がぴたりとくっつく。 ふっと笑って報告してくるコウさんを見て、今更羞恥が湧きだす。上手い言葉が見つからなくて、視線をぎこちなくずらした。 「じゃあ動くね」 「えっ? な、ひゃぁあ……」 律儀に全て予告してくれるコウさん。だけどこんな行為は初めての僕。理解するまでに時間を要する。 その間にコウさんのものが抜けていった。不思議と喪失感を感じていると、ぱちゅんと音を立てて戻ってくる。 「あぁっ!」 ごりっと奥の方を抉られる。知らない感覚は快感に変わって、僕を攻め立てた。 こんなの、知らない。怖い、でも、気持ちいい。 コウさんが腰を引いては、打ち付けて、快感はもう絶え間ない。僕はひたすら感じることしかできない。 「ひゃっ……やっ、ああぅっ……」 行き場を探して彷徨う手がコウさんの背中にたどり着く。ぎゅっと力を込めれば、コウさんも抱きしめ返してくれた。 温かい。一人じゃない。淋しくない。 快感と熱の狭間で、僕はぼんやりそう感じていた。

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