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穢れた僕と2

酸欠になるくらい懸命に走って家へと辿り着く。ドアの内側へ転がり込んで、鍵を閉め、チェーンロックもかける。 そのあと小走りで、トイレからお風呂から台所、母さんの部屋まで、窓の鍵が閉まっているかを確認する。 最後に自室を確認して、ようやっと動きを止めた。 畳んだ布団の上に倒れるようにして座る。手はまだ小刻みに震え、息も荒いまま。 でも、大丈夫、大丈夫。もう、ここは、家の中。 息を鼻から深く吸って、口から長く吐く。 胸に手を当て、何度も深呼吸を繰り返すと、徐々にだが落ち着いてくる。 なんだかどっと疲れてしまった。嫌な疲れ方だ。 最後にため息をひとつ吐いて、目を閉じる。 「……っ」 そうすると眼裏に浮かぶのは彼の顔。 僕を見つめる、彼の顔。 目を見開く。また体が震え始める。 壁際に躙り寄り、腕で自分の体を抱きしめる。膝を立てて体に引き寄せ、できる限り小さくなった。 ……ああ、なんだか、コウに、会いたい。 暗く淀んだ脳にぽとりと落ちてきた思い。 胸に希望が湧き出す。今日も来てくれる。昨日約束した。 そう考えると少し笑みが零れた。

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