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穢れた僕と13
だめだ。甘えちゃ、だめ。
穢い僕が、こんな優しい人に、迷惑をかけていいはずがない。
「だ、大丈夫……。僕は、平気だから」
さりげなく体を離そうとする。僕の力じゃコウの体はビクともしない。逆により引き寄せられる始末だ。
「ねぇ、亜樹。こんな酷いめまいの原因、学校にあるんじゃないの?」
その言葉に体がぴくりと反応する。
問いかけの形式をとってはいるが、口調から確信が窺える。察しがよすぎるにも程がある。
「なら学校行くのやめたほうがいい。こんなになってまで行く必要なんてないよ」
心配そうに歪んだコウの顔が回っている。僕のためにこんな顔させている。申し訳ない。
だけど。
「…………やだ。学校は、行く。行きたい……」
ぎゅっとコウの服を掴む。これだけは譲れない。
「……そっか。わかった。亜樹がそう思うなら俺は何も反対しない」
「……ありがとう」
コウは小さく笑って、僕の頭を撫でてくれる。優しい手つきが心地よくて、自然と笑みが零れた。
「……っ、亜樹ってほんとさ……」
気が緩んだせいか急に眠気が襲ってくる。コウの言葉をすべて聞き終える前に、意識は闇に吸い込まれた。
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