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静かな波立ち4

「亜樹、テスト終わるのいつ?」 数週前のように向かい合って朝食を取っていたところ、ふとコウが声を上げた。 「えっと……、今週の金曜日」 「じゃあその日まで、俺、来るのやめるよ」 「え……?」 笑顔で言われた言葉に、ガツンと頭を殴られたような気分になる。大袈裟かも知れないけど、本当に。 「亜樹のテスト勉強を邪魔しちゃ悪いからね。次会うのは金曜日にしよう」 「あ……うん、わかった」 "邪魔なんかじゃない。寧ろ来て欲しい" そんなこと言えるはずもない。 コウは僕に迷惑かけてはならないと、好意からこの提案をしてくれている。それなのに僕の我が儘でそれを曲げることなんて。 そもそも毎日、僕の家まで来てもらうこと自体、大変な労力を強いることだ。 コウは迷惑ではないと言ってくれる。楽しいとも言ってくれる。僕といる時は笑ってくれるし、こうして泊まることになっても、嫌な顔一つしない。 僕はコウ自身の言葉や態度を信じている。だけどコウの行動理由には、少なからず僕への気遣いだって含まれているはずだ。 いつもコウにばかり気を遣わせるのではなく、そろそろ僕もそれへ返すべき。 たまには出かけない夜中を、自由に使える時間を、作らなければいけない。 「あっ、でも亜樹、俺が来ないからって昨日みたいに夜中まで勉強しちゃだめだからね」 「大丈夫だよ。もうしない」 互いに見つめ合って、笑い声を立てる。 楽しさを装う表面とは裏腹に、僕の心は金曜日までの夜を考えて、暗く淀んでいった。

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