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激動7
シャワーの音と擦る音。
気づけば耳の中はそれらで埋まっていた。
夢中な僕を我に返したのは体の痛みだ。全身が真っ赤になっている。所々血が滲んでいる。
人が見てわかるくらい穢れてしまった。
絶望ともやるせなさともつかぬ感情に包まれ、シャワーを止めた。
虚ろな気分のまま体を拭いて服を着る。
もうとっくに昼の時間になっていたけど、何かを食べられるはずもなく、そのまま自室に入った。
それからはただ部屋の隅に蹲っていた。
次に気がついた時は、あたりがもう真っ暗になっていた。
夜中になったのかもしれない。いや、夜中になったのだ。その証拠に僕の視界が回っている。
夜中。
コウ。
コウが来る。
暗闇に差した光に這い寄った。
自分の気持ちを自覚した今、やはり後ろめたさはある。こんな自分が、と思う。
でも奥底では、コウに会って、笑いかけてもらって、安心したい。全て塗り潰したい。
そう考える自分がいた。
本当に、醜い。
でもそうじゃなきゃ壊れてしまいそうな気がして。
必死の思いで窓に向かう。
コウに初めて会った日と同じで、進めているかわからない。でも今はちゃんと救いがあるとわかるから。
手を伸ばすとひんやりとした感触。窓を開け放って、いつものように座った。窓枠に体を預け、体育座りで膝に顎を埋める。
コウが来たら、どんな話をしよう。コウに会えるなら、なんでもいい。また僕に笑みを向けてくれるだけでいい。
なんで学校に来たのか。なんで不良の間宮颯太の席にいたのか。
そんなことはもういいから、ただ会いたい。
そうして僕は待ち続けーー
その日の夜、コウは来なかった。
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