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崩壊と萌芽6
目を見開く。そこからボロボロと涙が零れだす。
コウが僕を好き? 違う。別の意味だ。
希望よりありえないという気持ちが勝る、
「言っておくけど、恋人にしたいっていう意味の好きだからね」
「あ……う……」
僕の気持ちを見越してか、コウはちゃんと釘を刺してくる。そう言われると納得せざるを得ないわけで。
恥ずかしさやら歓喜やら驚きやらで頭は混迷する。様々な感情が僕を千々にする。
するとコウは僕のことを抱きしめなおす。またコウの胸の中だ。
「いつも一生懸命で、可愛くて、気配り屋さんな亜樹が、好き。すごく、好きだよ」
訥々と語りだすコウ。
返事を聞く前に、僕の誤解を解消しようとしてくれているみたいだ。
いや、それもあるけれど、なんだか不安も窺える。だから抱きしめたのかもしれない。
「最初はおどおどして、でもそれ以上に鈍感で可愛らしい子だな、くらいにしか思ってなかった。でも今思えば一目惚れだった」
一目惚れ。
その言葉に嬉しくなる。
きっと僕も一目惚れだった。最初に会った時からコウに恋していた。
コウも同じ気持ちを共有していると思うと、やはり嬉しい。
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