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崩壊と萌芽11

「でも我慢できないや。大丈夫。すぐに気持ちよくなるから」 「えっ……」 現実、いや、颯太はそんな甘くないみたい。 ああ、なら本当に今から颯太と、僕は、繋がる。 軽くパニックに陥った僕は次に窓を指差す。 「あっ、あの、窓、開けたまま、だから……」 「あー、うん。わかった。閉めてくる」 なに時間稼ぎしているのだろう。これでは颯太を焦らしてるみたいだ。颯太も呆れてしまうかな。でも、やっぱり恥ずかしい。 颯太が窓を閉めに立ち上がる。その隙に僕は布団を持って壁際に行った。膝を立てて座り、布団で体を覆う。 すぐに戻ってきた颯太は僕を見て不思議そうな顔をする。 だけどその口元はすぐに綻んだ。 「可愛いね。なんだか初めてに怯える処女みたい」 「しょっ……!?」 カッと顔が熱くなる。 可愛いとかしょ、処女、とか、何を言ってるんだろう。しかもすごく楽しそうに笑っている。 もしかしなくても颯太って……Sっ気がある? 「まあ、初めては俺が貰ったけどね」 「……っ」 いつの間にか近づいてきた颯太。妖しく笑むその表情を見てぞくぞくっと電流のようなものが背を走り抜ける。

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