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恋の閑話8
長く、長く続いた快感が徐々に収まって、そして違和感に気づく。
前がまだ、熱いまま。
なぜだかわからないけれど出ていない。まだ性器はじんじんしている。
「え……なんで、颯太……」
「ドライだね。出さないでイクこと」
指が抜け出て、颯太が覆いかぶさる。顔を横に向けると、すぐにキスをくれた。自分から舌を絡めると、ちゃんと返してくれる。
わけのわからないイキ方をして怖い。でも颯太の温もりで安心する。
「苦しい……」
「一緒にイクのと、先と、どっちがいい?」
「いっしょ……が、いい……」
「うん、わかった」
颯太が体を離して服を脱ぎ始める。シャツやズボンがパサパサと周りに散っていく。
僕はその間に仰向けになる。顔を見ながら、シたいって思った。
その行動に気づいた颯太が優しく微笑む。そしてまたキスをしてくれた。髪をすいて、至近距離で僕を見つめる。
「亜樹、大好きだよ」
「うん……僕も、好き」
颯太の大きくて硬くなったのが入ってくる。散々ならしたおかげかいつもよりスムーズだ。痛みも全くなくて、寧ろ快感が大きすぎるくらい。
「亜樹が可愛すぎてやばかった」
「んっ……ゆっくりしすぎだよ……」
「それくらい大事に思ってるんだよ」
「うん……」
動いていいよって気持ちを込めて颯太の唇に触れる。それから背に手を回してきつく抱きついた。
颯太はそれでもゆっくり動き始める。亀頭が前立腺を掠めて奥まで届く。まるで焦らすように抜き差しを繰り返された。
「あっあっ……んっ」
気持ちよくて、優しさが嬉しくて、でもちょっぴり足りない。
ただでさえイキたくてたまらないのにまだ解放されない。颯太と僕のお腹の間で擦れてそれすら強い快感になる。
「そうたぁ……」
「……っ、わかった」
哀願するような甘い声が出た。みっともないと思ったけど、颯太は息を飲む。
と、次の瞬間。
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