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不穏の気7

それから二人で颯太の美味しい夕食を食べた。久志さんは結局帰ってこなかった。そして泊まりの誘いを断って家に帰った。 思いついた考えをちゃんとまとめておきたかったからだ。 僕は颯太のことをちゃんと伝えてみようと思った。 あの時は怯えてばかりで颯太のことをうまく話せなかった。そもそも何も言えてないのだ。それにおどおどした態度をとるから、清水くんは余計に苛ついたのだと思う。 それなら怯えずに、素直な言葉でもう一度伝えてみればいい。颯太のことを完全には受け入れられずとも、学校へ来ることさえ認めて貰えば、あとは時が証明してくれる。 そのために僕はしっかり言うことや順序を項立ててまとめた。多少のメモがないと僕はちゃんと喋れない。 そうして準備を整えて、いつもより少し遅く寝た。 朝は言うぞ、言うぞと意気込んで登校した。 ……のだけれど。 颯太と離れる時間がないのだ。 その日はトイレぐらいしか離れなくて、言う時間がなかった。 かといってその次の日も時間がなかった。颯太は職員室に行ったけど、もしかしたら途中で戻って来るかもと言う懸念があって無理だった。でもそれ以上に長く離れる時間はない。 僕から誘えばいいのかもしれない。まずは清水くんだけでも。 だけど意気地のない僕はそんなことさえもできなかった。いざ目の前にして、結局怖くなってしまったのだ。 本当に、情けない奴。 勇気の足りないまま、また明日、明日と考えているうちに、一週間が経ってしまった。

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