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素直な気持ちを8

「やっ……あぁっ、颯太、むりぃ……」 颯太が僕の中に身を沈めてからどれくらい経ったろう。 颯太はすごく意地悪だ。中を突くことは一切しないで、ゆさゆさと揺するだけ。あとは胸をいじったりだとか、そういうことに留めている。 気持ちいいことには気持ちいい。だけどやっぱり足りなくて、出すどころか出さずにイクことすらできていない。 頭だけがとろけていって、おかしくなりそう。 「イキたい……! そうた……アッ……」 「イキたい? 亜樹が触らないでもイケそうなのがあるんだけど、する?」 「するっ、する、からぁ……」 「わかった」 まぶたにキスをした颯太が上半身を起こす。それから僕の腰に手を添えた。 あ、やっと突いてくれる。 そう思ったら後ろがきゅっと締まる。 「違うよ、あーき」 それに気づいた颯太はにやりと笑った。 そして腰の手そのまま上半身を倒していく。微弱な快感に犯された僕はされるがまま起きていって……颯太の上に、乗った。 ……つまり、これは、騎乗位というもので。 「やっ……な、あぅ……深い……」 「奥まで届くでしょ? 好きに動いてごらん」 「はずか、しい……そうた、やだぁ……」 いつもと違う目線。颯太を僕が見下ろす。颯太は見上げて僕のことを隅々まで眺めている。それこそ完全に勃ち上がって揺れる僕のものも。 これから動くとなれば僕の痴態も全て見られてしまうんだ。そんなの、無理。 「うーん、でも亜樹が自分で動いてくれたら、俺も気持ちいいだろうなぁ」 「颯太……も?」 「うん」 颯太が手を持ち上げて腰をすっとなぞる。 これは罠。 罠だってわかっているのに、颯太のためなら頑張ろうとか思い始める自分がいる。だって颯太を気持ちよくできるなら、したい。いつも僕ばかり気持ちよくなってるから。 颯太のお腹に手をついて、腰を前後に揺らしてみる。 「んっ……あっ、あっ……」 それだけで気持ちいい。いつもより奥まで届くから、また違った快感が僕に降りかかる。 前立腺に擦れるように無意識に腰は動く。 羞恥なんか快感に押し潰されてしまう。

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