147 / 961

別離こそ1

○ ● ○ 『お前はいつも完璧でいろ』 そうあるために努力した。 『いつも凄いですね。さすが九条家の御坊ちゃま』 『小さい頃から天才肌でしたものね』 『颯太さま、何でもさらっとこなせて、とても感心しています』 周りの声に 『颯太さま』 『颯太様』 『颯太さん』 『颯太さま』 応えようとした。 そのためにがむしゃらになって、 いい子を演じて、 本心なんか言わず、 ずっと、 ずっと、 『しっかりしろ。なんだこの数字は』 違う、わたしは、 いや、違わない。 足りない、もっと やらなきゃ、 もっと、わたしは

ともだちにシェアしよう!