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自由に向かって1

月曜日に登校すると待っていたとばかりに清水くんが席にやってきた。 「……どう、だった?」 それに反して言葉は歯切れが悪い。 興味本位だと思われることを危惧したのかもしれない。もしくは失敗した可能性を考えたか。清水くんの言葉は優しさからくるものだとわかっているのに。 「聞かせてもらったよ。颯太の本心も過去も」 「よかったな」 「うん。颯太は僕を守るために戻ったみたい」 「俺の言った通りじゃんか」 「ふふっ、そうだね」 ふざけて胸を張る清水くん。 ほら、やっぱり優しい人だ。 「それでどうすることにした?」 「僕は颯太を連れ戻しに行こうと思う」 「そっか」 「その先のことは……どうなるかわからない。でも二人で考えようと思って」 清水くんに向かって情けなく笑うと、清水くんも切なそうに笑った。僕に時々見せるものだ。その理由は未だわからない。 こんなに優しくしてくれた人なのに、理解してあげられないことは少し悔しい。 でも今は、それ以上に考えなければいけないことがあるから。 「頑張れよ。俺は渡来と間宮が二人でまた登校するの、待ってるから」 「ありがとう」 清水くんは今度はいつもの笑みを残して僕の席を去った。 胸のあたりが、温かい。 久志さんも清水くんも僕らを待っていてくれる。その思いが進む糧になって、胸に溜まる。

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