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自由に向かって16

「んっんっ……んぅ……」 何度も何度もキスを繰り返す。お互いの唾液が混じりあって、口の端から垂れていく。くちゅくちゅというやらしい音に脳が侵されていった。 キスに夢中になっていると、颯太の手がバスローブにかかる。 「あっ……颯太、カーテン」 その時、カーテンが開いたままなことに気づいた。これじゃ明るい。よく見えてしまう。 「開けたままじゃ、だめ?」 「……どうして?」 「夜を、感じていたいんだ」 颯太の目に切ない色が宿る。 それで現実をふっと思い出す。僕も颯太も薄々気づいているから。 ならせめて少しでも特別な思い出を。少しでもお互いの姿を。刻みつけたい。 「わかった」 「ありがと」 見つめ合う時間はすぐにキスに変わる。 「んっ……あっ、んぅ……」 数えきれないほど舌を絡めあって、颯太の手は僕の胸をいじって。バスローブは僕のも颯太のもすぐにはだけていく。 「……亜樹、好き」 「僕も、好きだよ……」 現実をかき消すように快感に身を沈めていく。 そのうち颯太の手は下に向かっていった。もうすっかり膨らんで下着にシミを作る僕のを上からさすってくる。 そんな時、僕も颯太にシたいという気持ちが浮かび上がった。 「颯太、待って……」 「ん? どうしたの?」 唇を離し、颯太の手を掴む。僕のバスローブからそれを引き抜いたあと、上体を起こす。颯太も不思議そうにしながら僕に従ってくれる。 そうして対面座位の状態に一瞬なり、そこから颯太を押し倒す。 「亜樹……?」 颯太の口に一回キスをして体ごと下へ移動していく。 「亜樹、待って、それは」 バスローブをめくると颯太の下着が見える。それを下に下げると大きくなった颯太のが出てくる。 「いいよ、無理しなくて」 「僕がやりたいの」 宣言して颯太のを口に含んだ。独特の苦味が口内に広がる。咥えようとすると少し苦しい。会長のに慣れていたからかもしれない。 それでも颯太のなら苦しくてもいい。 寧ろ嬉しい。 夢中で舌を動かし、しゃぶっていく。音なんか気にならなかった。

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