271 / 961

ご注文は8

「いつもより締まるね」 「そ、そういうの言わないで」 「えー、どうして?」 「ひぁん、あっあっ」 自分でもよくわかる。普段よりきつく颯太のを包んでいること。 離すまいときゅうきゅう締めつけて、息をする度にその締まりがよくなる。そして颯太の形がありありと感じられてしまう。 心地よさと羞恥が脳を回って、ないまぜになって、結局訳がわからない。 「アァッ、んぅっ、ひっ」 ただ腰を打ち付けられる感覚と、気持ちよさだけは勝手に送り込まれてくる。脳が処理しなくても、下半身が反応してしまう。 そのうち颯太の手が妖しく腰を触り、それから胸に回ってくる。きゅって乳首を摘まれると、枕を抱く腕に力がこもった。 「亜樹、可愛い……」 「んっ、んんっ」 「顔上げて。キスしよ」 いつの間にか覆い被さって、僕の背に唇を当てる颯太。ちゅっちゅっとキスマークをつけながら、とうとう僕の顔の横までやってきた。 快感に濡れた瞳を枕から上げれば、颯太の顔が見える。 「あ、締まった」 「やっやだ! 言わないで」 僕にとっての快感材料は、颯太の匂いよりも、吐息よりも、本物の颯太。 だって本物はかっこよすぎるんだもん。 「ほんとに可愛いな」 「んっ、んむっ」 舌を絡めながら、腰の動きは続く。もちろん乳首をいじる手だって止まらない。上から下までどこも気持ちいい。 もう二回も、昼間を合わせれば今日だけで三回もイッてるのに、またイキそう。 「そうたぁ、 あっ、あんっ」 「うん、ここにいるよ。亜樹、大好き」 「ぼ、くも、しゅきっ」 「可愛いね」 颯太の声に返事をすると思い切り噛んでしまった。なぜかその言葉で中にある颯太のものは大きくなる。 その理由はわからないけれど、噛んだだけの時よりもこっちの方が恥ずかしい。 そして恥ずかしいと、締めつけてしまって。 「ひぁん、んぁっ、もうイッちゃ……」 「んっ、一緒に」 「うん、いっしょ……あ、あっ、ああっ」 「……くっ」 颯太の腕が僕を強く抱きしめて、その反動で奥まで届いて、白濁液が出てくるのがわかる。そして温かいのがすぐに注がれるのも。 気持ちいい。すごく、気持ちいい。 お互い全部出し切ると、颯太は僕の上からどいた。ずるっと性器が孔から抜け出ていく。 僕はもう頭がぽわぽわしてしまって、重力に引かれるまま仰向けに転がる。腕を投げ出してぼんやり天井を見つめていると、颯太の顔が僕を覗いた。 「そう……た……」 「亜樹、眠い?」 「ううん、ちゅー……」 「わかった」 僕が腕を伸ばすと颯太は体を近づけてくれる。ぎゅっと頼もしい体を抱きしめて、キスしてもらった。 そんな幸せの中で僕の意識は落ちていった。

ともだちにシェアしよう!