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青翠と恋心7
ふれあいコーナーを離れたあと、また少しの水槽を見て、出口が近くなってきた。
その付近にはお土産屋さんがある。
「亜樹、お土産売ってる」
「うん。買おう」
中に入るとカラフルなお土産が視界を埋める。お菓子からキーホルダーから人形から、たくさんのお土産がある。
入り口入ってすぐ横にはジンベエザメの被り物がある。
「颯太見て。可愛い、ジンベエザメ」
「帽子? 可愛いね」
颯太は水色の被り物を取るとポスッと僕に被せてくる。それからその位置を調整した。
僕もお返しとばかりに深い青を手に取る。
頑張って背伸びして頭に乗せた。颯太自身がその位置を調整してくれる。
「似合う?」
「うん。颯太がすごく可愛く見える」
「亜樹も似合ってる」
目が合うとくすっと笑ってしまう。
頭に魚を乗せてるのはちょっと滑稽だ。可愛いのだけど、どこか面白い。
お互いの帽子をお互いが外して棚に戻した。
いい思い出にはなるが、かさばるし値段もかさんでしまう。
「お土産は久志さんと清水くん?」
「あと柊にでも買っていく? 受験頑張れって」
「うん! 買いたい!」
無難なのはお菓子だろうとそのコーナーに行く。
水族館で見てきた色々な魚を模したお菓子やこじつけたお菓子がたくさんある。
それぞれお土産を探していく。
清水くんは何が好きかな。形に残るものを残したい気もする。
「柊にはこれどう?」
すると颯太がお菓子を一つ持って僕のところへ来た。颯太が持つのは様々な魚をかたどったチョコレートが詰められたものらしい。
冬だからきっと溶けないだろう。
「糖分必要だもんね」
「そういうこと。清水くんはどうする?」
柊先輩のは決まりだ。
清水くんのを探して棚に視線を滑らす。
「あっ、これなんかどう?」
そして見つけたのはちんあなごのクッキー。
ちんあなごは本物がいたけど、すごく可愛かった。それがクッキーになっているのはいいかなって。
しかもこのクッキーはちんあなごのメタルキーホルダーつきらしい。
「清水くんは亜樹から貰えたら何でも嬉しいと思うよ」
「そうなの?」
「うん。きっとね」
「じゃあこれで平気かな」
「うん」
清水くんは優しいから他の人から貰うものは何でも喜んでくれるってことなのだろう。
メタルキーホルダーはつけていてもおかしくないし、あくまでおまけだからお気に召さなくてつけなくても問題ない。
我ながらいいお土産だ。
「久志さんはふざけたものとかいいかもな〜」
顎に指を当てて颯太がお菓子コーナーを去ろうとする。その服を思わず摘んでしまう。
「ん?」
「あっ……何でもない」
「言ってみなよ」
慌てて離して首を横に振る。でも颯太は微笑んで僕を覗き込む。
「あの、あれ美味しそうじゃない……?」
そっと棚の一角を指差す。
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