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イシュー3

そして颯太まで行けば次は轟くんと小室くんだ。 「面白い班になりそうだ。俺は轟隆司。部活は硬式テニス。よろしく」 「おれは小室凛。部活はたかちゃんと同じ硬式テニス。よろしく〜」 轟くんは真っ黒な短髪でよくいる高校生らしい見た目。小室くんは比較的長めの紺色寄りの黒髪で、垂れ目で常に笑っているような人。 「たかちゃんって呼ぶな」 「嬉しいくせに〜」 「うるせえ、阿保」 「うわ、ひどーい」 轟くんが、たかちゃん。なんか可愛い。 そう思われるから轟くんは嫌がるのかな。でも文句を言いつつすごく楽しそう。二人はとても仲良いんだってよくわかる。 「仲良いんだな、二人とも」 「幼馴染なんだ」 「ただの腐れ縁だけどな」 「おもしれーやつらだろ! 二人とも!」 松村くんが自分が褒められたかのように誇らしげに叫ぶ。一番面白いのは松村くんだと思うけれど。 目の前の颯太を見れば同感の様子。 そこから机の中心の方へ視線を戻すと、小室くんとばっちり目が合ってしまった。 何か喋った方がいいのかと思ったけれど、小室くんはへらっと笑って緩く手を振ってきた。 こんな近距離で? いや、そもそもなんで? そうは思ったけど手を振り返してみる。 「凛……なにやってんだよ」 「渡来くんと間宮くんとずっと話してみたかったからさ〜」 「まあそうだな。仲良くなりたいってこいつと話してたんだ」 小室くんの柔らかい笑みと、轟くんの爽やかな笑みが僕らに向けられる。 仲良くなりたいと思ってくれていたのか。だから誘われたらすぐに了承した……のかな? そんなことは今までないから嬉しい。 「好意は嬉しいね、亜樹」 「あっ、うん。ありがとう……」 「なんか照れる〜」 「自分から言ったんだろ」 「やっぱおもしれー! テンション上がってきたな! なっ!」 「はい、座れ。茂」 清水くんが拳を握って立ち上がる松村くんを席に引きおろす。それにみんなが笑う。 この時点でも楽しい班だ。旅行も楽しみ。 「自己紹介も済んだしそろそろ決めるぞ」 清水くんの言葉で今日決める班行動の行き先を決め始めた。 時々二者面で抜ける人が出る中、順調に話し合いは進んでいった。そもそも殆どがクラス別行動なので行き先だけなら楽だ。あとは移動手段とか時間を考えるだけ。 「渡来、次」 「うん、わかった」 そうして授業も終わりに近づいてきた頃、二者面に呼ばれる。 授業内に呼ばれて少し安心だ。出席番号が最後の人って何かと不都合がある。 みんなに言葉をかけて教室の外へ出た。

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