3 / 202

第3話 1-3 (R18)

 なんとも心地よい気だるさで目を覚ます。朝日が昇り、部屋の中は明るかった。ふと顔を横にむけるとカツラは既に目を覚まし、片肘の上に頭を乗せた姿勢でこちらを見ていた。どうやら寝顔を見られていたようだ。 彼の上半身は臍の辺りまでシーツから丸出しの状態でたまらなくセクシーだ。白い肌の胸のあたりに強烈な存在感を示す薄桃色の2箇所に自然と視線が吸い付けられる。カツラはそんなつもりはないのかもしれないが、どう考えても誘っているようにしか見えない。 なんとか無理やりそれから意識をそらし、少し恥ずかしさを感じながらタイガはカツラのほうに体をむける。 「おはよう。」 「おはよう。タイガ、昨日はずいぶん疲れていたみたいだな。」 「え?あっ、まぁ。」 タイガは昨夜は2度、カツラを抱いた。しかしここ最近は3度、4度と抱くことが常だったのだ。果たして、今のは皮肉なのだろうかとタイガはカツラにここ最近の行為について尋ねてみることにした。 「俺、やりすぎかな?カツラ、つらくないか?」 カツラは瞳を大きく見開き驚いているような表情をした。 「タイガ、どうしたんだ?まだそんなこと、気にしていたのか?」 「いや、だって。仕事の後だし。しかも今さらなんだけど、ずっと中で出してしまってるし。ごめん。」 目線を下にむけ謝罪する。カツラと初めて結ばれた時、その状況に持っていくことばかりを考えていたタイガはすっかり避妊具を忘れてしまっていた。同性同士のため妊娠することはまずないが、やはり感染対策も兼ねてきちんとしておくべきことだと思っていたのだ。タイガはそういうことも今まで抜かりなくやっていた。しかしカツラとは最初になしで行為に及んでしまった。そのためそのままだらだらと今まで用意せずにきてしまったのだ。そのこともタイガにとっては気になることであった。 「あははははは...。」 カツラは急に笑い出した。 「なんだよ?人が気にしているのに。」 「タイガ。お前、カエデの時はどうしてたんだ?」 「えっ、それはちゃんとつけてたよ。」 「ふぅん...。」 「当たり前だろっ。」 タイガは口をすぼめながら答える。なんで俺が気まずくなるんだ。 「まさか...。カツラはつけない派なのか?」 それはかなり嫌だ。カツラは俺より経験人数が多いはずだ。何人ものあれがそのままだなんて...。タイガはどぎまぎしながらカツラの返事を待つ。 「なわけないだろ。気持ち悪い。俺の体はヤローどもの吐きだめじゃないんだから。」 「そか、よかった。ははは。」 タイガはカツラの返事を聞き安心したのも束の間「えっ、俺めちゃくちゃ吐き出してるんだけど。」と焦って黙り込みカツラをまじまじと見つめた。そんなタイガの様子にカツラが気付き言葉を続けた。 「タイガ、お前は特別だから。お前は俺の中にいくらでも出していい。俺はそれが嬉しいんだから。」 そういってタイガの胸に優しく手を置いた。 「本当に?」 「ああ。お前とは深く繋がりたい。お前は俺だけのものだろ?」 カツラがタイガに優しくキスをする。 タイガはカツラのこんな言葉を聞かされた上にキスまでされ、さっきまでの謙虚な気持ちがあっという間にどこかに吹き飛んでしまった。素早くカツラの上に馬乗りになり、カツラの両手を上にあげ固定した。 「タイガ?」 先程無理をして意識をそらした薄桃色のそのものを口に含み、思う存分舌で転がし吸い上げ味わう。 「あぁっ!」 カツラが歓喜の声をあげる。唇と舌ではその行為を続けたまま、タイガは片手で優しくカツラ自身をつかみとり、いくらかしごいてそのままその手を彼の中に滑らせていく。カツラは十分に準備ができているようだ。タイガは湿り気のあるそこに一気に自分を埋め、そのまま激しくカツラを貪った。  タイガがこうして激しく自分を求める度にカツラのタイガへの独占欲が満たされていく。タイガの一連の行為にカツラとしては全くなんの不満もなかった。タイガが気にしていることもカエデにはなく、自分にだけのことだと知り優越感に浸っていた。タイガにだけはなにをされても構わない。それぐらいカツラはタイガを強く求めていた。  数分後。お互い大いにはじけ荒い息遣いのままベッドに横たわる。しばらくするとカツラが起き上がりタイガに優しくキスをする。そしてスウェットを着、寝室を後にした。タイガはなにごとかとカツラが戻ってくるのをベッドで待っていた。しばらくしてカツラがなにかを手にし戻って来た。 「タイガ。そんなに気になるのなら三回に一回ぐらいにするのはどうだ?」 そう言いながらベッドの前に跪く。 「なにが?」 カツラは得意げに今持ってきたものを見えるように片手を上げた。 「それ。」 「そう、ゴムだ。」 そう言って本体を袋から出し、今は大人しくしているタイガ自身にそれをつけようとした。 「カツラっ、ちょっ!」 「あれ?お前のやっぱりでかいな。入んないや。あはははは。」 カツラはあっけらかんと笑うが、タイガはそんなことより「ゴム」をカツラが持っていたことに驚きを隠せなかった。忘れていたわけではないが、カツラは女性とも経験があるのだ。それはその時のためのものだ。いや。男とヤルときにも一応用意していたのか。タイガはがばっと体を起こしカツラの腕を掴んだ。 「これ、まだたくさんあるのか?」 「え?」 タイガのいきなりの反応にカツラは戸惑い答える。 「まぁ、いくつかはな。どうしたんだ?」 「もういらないだろ?カツラには俺だけなんだから。俺の分は自分で用意するし。」 「タイガ。これは処分するのを忘れていただけだ。お前がつけた方がいいのかと気にしていたから。」 そう言ってタイガにキスをしてきた。タイガはカツラのすべてを知りたかった。カツラの唇を深く味わいながら「また時期をみてこのことも聞かなければ。」そんなことを考えていた。 「一緒に風呂に入ろう?たくさん汗かいたし。」 「そうだな。」 今日は久しぶりにゆっくりすごせるのだ。カツラへの独占欲を胸に秘めタイガはベッドから抜け出した。

ともだちにシェアしよう!