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第10話 2-7 (R18)
「カツラ。フジキさんとのキスはどんなだったんだ?」
今日は週末だが珍しくカツラの仕事は休みだった。タイガと二人ダイニングで向かい合い、一緒に夕飯を食べていると急にタイガが尋ねてきた。
「え?どうって。」
今朝カツラはこの件でタイガからたっぷりとお仕置きを受けた。甘いお仕置きだったが。もう終わったことだと思っていたのにまさかあのキスに関して感想を聞かれるとは思っていなかったカツラは口ごもった。
「なぁ。別に責めるつもりはないんだ。気になっているだけで。舌って入れられた?」
「...。」
カツラは逡巡した。しかし正直に話すなら今しかないと思い答えることにした。
「うん。」
「そっか。そうなんだ、そうだよな。恋人と思ってしたんだから。」
「タイガ、フジキさんはかなり酒に酔っていたんだ。それに恋人が恋しくてたまらなかったんだろう。俺も気持ちがわかるから責められなくて。」
「気持ちがわかるって?」
タイガが眉間にしわを寄せて言う。「しまった。話しすぎた。」そう思ったがタイガはカツラをじっと見、カツラの答えを待っている。「タイガはトベラとのことは知っている。話しても大丈夫だろう。」そう判断し当時のことをタイガに伝える。
「研修中に。疲れもあったんだろうけど酒に酔って。タイガとトベラを間違ってキスをしてしまったんだ。お前が恋しかったから。」
タイガに視線を移すと彼は瞳を見開いてカツラを見ている。
「そうだったのか。カツラからやつにキスしたのか。俺と間違ってって...。」
タイガはその時気付いた。まさかめちゃくちゃ濃いキスをしたのではと。トベラのカツラへの執着を思い出し、過ぎたこととは言えタイガは嫉妬を感じずにはいられなかった。たまらずカツラを睨みつける。
「タイガ?」
タイガはさっと立ち上がりカツラのそばまで来た。タイガはカツラの腕を掴みぐいと引っ張りカツラを立ち上がらさせ、自分はそのままカツラの背後に周り、カツラを後ろから抱きしめた。
「カツラは酒で失敗が多すぎる。もっと気をつけないと。」
カツラはタイガに優しく抱きしめられほっとしていた。自分の首元に回されたタイガの腕の上に自分の手を重ねて軽く微笑む。
「だよな。俺もそれは思った。」
酒瓶を間違えるなんて。普段は要領がいいのにどうしてここぞというときにぬけているんだ。タイガは心配になった。カツラはかなり魅力的だがそのことに関しては自分ではあまり自覚がないようだ。いつか取り返しがつかないことが起こりうるかもしれない。カツラにはもっとしっかりしてもらわないと。
「カツラ。こんなことされたら、酒に酔っていたら無理だろ?」
「え?」
カツラの返答と同時にタイガは素早くカツラのズボンと下着をいっぺんに下に引きずり下ろし、自分のいきり立ったものをカツラの後ろから深く侵入させた。
「はっ...!」
「うっ。カツラ...。」
タイガはカツラに深く差し込んだまま中をかき混ぜるように腰を回し、カツラをほぐしていく。やがて数分としないうちにくちゅくちゅと蜜がしたり始めタイガ自身を締め付け始めた。
「タイガっ。ちょっ...、ちょっと、待って。」
「だめだ。こんなにいい具合になっているのに。カツラ、今は俺だからいいけど他のやつらにこんなことされたらどうするんだ?こんなに気持ちいいのに。絶対最後までやめられない。あっ...。」
タイガは瞼を閉じ生じる快感に耐えながら優しくカツラの耳元で諭すように言うが、腰は激しく動かし続けた。
パチュン、パチュン、パチュン、パチュン、パチュン、パチュンッ...
「んんっ...、あっ...。」
カツラもたまらずテーブルに両手をつき尻を突き出し、タイガの動きに合わせて動き始めた。
「あぁ、カツラ。好きだ、好きだ、愛してる。」
言葉に合わせて動きがより激しくなる。カツラの上着も胸の上まで捲し上げ、彼の胸の敏感な二点を指で掴み取る。
「あぁっ!」
「カツラ、好きだろ?これ。カツラ...。くっ、あっ。」
これ以上ないほど高速な動きになった途端、タイガの全身の力が抜ける。またしてもカツラの中で果てた。タイガに後ろから攻められたカツラも一緒に果てていた。カツラはタイガに強く求められ体も心も幸せで満ち足りていた。「俺の方がお前を愛してる。」そう心で呟きまだ中にあるタイガをきつく締め付けた。
「うっ...。ちょっとカツラ、今締めた?」
「タイガ、心配しすぎだ。そんなこと今までだってなかったし、これからもない。」
カツラは振り返り笑顔で告げる。体を起こしそのままタイガに優しくキスをする。
「タイガ、愛してる。」
「あっ、うん。」
タイガはカツラに改めて「愛してる」と言われ胸が高まった。しかもこんなシチュエーションだ。タイガの一部はまだカツラの中にあり、微笑んだカツラは美しく何度も見ている表情にも関わらず吸い込まれそうになった。「今夜はこのままで終わるはずがない。」タイガはまたもう一人の自分がカツラの中でむくりと鎌首をもたげるのを自覚した。
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