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第19話 3-8 (R18)
「彼は。キリはその後どうしたんだ?」
タイガとしては確認しておかなければいけない最重要事項である。
「帰りましたよ、地元に。あの後数日はこっちにいて友人たちと会っていたみたいですけど、店にはさすがに来ませんでした。」
「そっか。」
「あれは映画みたいでほんとにびっくりしました。」
「なにが?」
声に驚き横を見ると、カツラがすぐそばまで来ていた。タイガもついついウィローの話に夢中になってしまって彼が近くにきたことに気付かなかった。
「あっ、いや、えと。」
ウィローが目線で助けを求めてくる。
「この間...なにか救出劇があったんだっけ?」
「そうです、そうです。」
「ふーん、そっか。タイガ、いらっしゃい。」
納得したのかカツラがタイガに声をかけてきた。タイガだけの特別な笑顔で。
「俺、あっち行った方がいいですか?」
ウィローがカツラに確認する。
「そうだな、頼む。」
カツラはグラスに新しい酒を注ぎながらウィローに指示した。
「じゃ、タイガさん、また。」
ウィローはそそくさとその場をあとにした。
「秘密の話か?」
タイガの前にグラスを置きながらカツラが尋ねてきた。やはりごまかせなかったか。
「話すよ、今夜。」
「そう。」
タイガは久しぶりに店でカツラを見、また先ほどのウィローの話を聞き、早くもカツラを抱きたくなった。「この男は俺のものなんだ。」タイガの独占欲に火がついていた。
「うっ、カツラッ。」
カツラがタイガに馬乗りになり激しく舌を絡めてくる。カツラの後ろ姿の割れ目からはタイガの太くりっぱなものが激しく見え隠れし、次の瞬間タイガが隙間なく全て隠れたところで二人で一緒に果てた。
そのままお互いの激しい吐息を飲み込みながら深いキスを続ける。下半身の二人のくっついたところからは白濁の液が流れていた。
「なに話してた?」
カツラがキスの合間に甘えた声で聞いてくる。まだキスは続けたままで。タイガはカツラの形の良い尻を両手で味わうようにもみながら唇を離し彼の瞳を見つめて言う。
「昔の話を聞いてたんだ。」
「昔?」
タイガはカツラの反応を見てみたくなった。自分の一部はまだカツラの中にある。あいつの名前を聞いてカツラの体がどう反応するのか気になった。
「キリのこと。」
「キリ...。ああ、キリか。いたな。」
特になんの反応もなかった。「まさか忘れていたのか?」タイガはキリという人物に少し同情した。
「で?」
話を続きをカツラが促す。
「告白されたんだろ?なんで振ったんだ?」
「告白?まさかウィローが見ていたのか?」
当然だがカツラは心当たりがあるようだ。
「振った理由は?」
「別に好きじゃないから?よく覚えていない。職場のバイトだぞ。そんな目で見ていない。」
「他にも聞いたんだ。」
「俺は職場のやつらとは関係持ったことない。」
「告白はたくさんされてきたんだろ?いいなって思う子いなかったのか?」
「やけにつっかかるな?職場で恋愛なんて面倒なこと以外なんでもないだろ?」
「客もあったんじゃないのか?」
「ない。全部断ってる。」
「じゃ、俺は?」
カツラの瞳が大きく開く。その瞬間、タイガ自身が強く締め付けられ緩い快感が体を駆け巡る。「今締まった。」タイガは自分の言葉を聞いてカツラが中にいるタイガ自身を締め付けるのを確かに感じた。
「それは...。」
カツラが言いよどむ。タイガは体を起こし、カツラの中にすっぽりすべて入ったまま向かい合い、カツラを太ももの上に乗せる。
「不思議なんだ。なんで俺なんだ?」
「え?」
「カツラは魅力的だ。大体のやつがカツラを好きになる。そんなカツラがなんで自分のことを好いてくれたのかがずっと不思議で。」
タイガは今まで疑問に思っていたことを聞いた。カツラはなんと答えるのか。
「タイガが…。お前が泣きそうな顔で店に入って来るから。」
「え?」
「お前に目を奪われた。目が離せなくなった。理由なんてわからない。タイガを見たときから俺はもうお前に恋をしていたんだから。」
カツラの告白にタイガは胸が熱くなった。気づくとカツラに熱いキスをしていた。唇に吸い付き舌を絡めながらカツラの口腔内を隅々まで味わう。カツラもタイガに答える。つながった部分と同じ様に蜜を含んだ音をさせながら。
カツラの中ですっかり復活してしまったタイガは激しく腰を動かし始めた。唇を一旦離しカツラが優しく微笑み額をつけてくる。彼は本当に美しい。タイガはカツラの首にキスをし、彼の胸元の固くなった薄桃色の小さなふくらみを口に含む。
「ああぁぁぁ...。」
快感のためカツラが気持ちを煽る声をあげる。カツラも上下に腰を動かし始めた。くちゅくちゅと二人の愛液が混ざり合った濃密な音がする。ふれあいが深まるほどに音も激しさを増す。カツラが背中を逸らした。カツラは達したようだ。タイガも自分が達するためカツラの腕側を下にくるよう横にし彼の片足を持ち上げた。肘をつきたまらない表情でカツラがタイガを見つめる。
「ああぁっ、ああぁっ!」
イッタばかりで責められ続け、カツラは女性のような喘ぎ声をあげた。
カツラの透き通るような白い肌、先ほどタイガが口に含んだ薄桃色の乳首はタイガの唾液で光り、色を濃くし勃っていた。タイガはますます興奮した。腰の動きが早くなる。
「カツラ、愛してる。」
つながった部分が丸見えとなりタイガの気分はより一層高揚する。数回動くとタイガも果てた。そのまま二人、横になりぴったりとくっついたまままどろんだ。
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