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第21話 3-10 (R18)

「でも男とってカツラは抵抗なかったのか?」 「あったさ。それまでヤッたことなかったんだから。」 どうやらカツラは最初から両刀という感じではないらしい。どういう経緯(いきさつ)でこうなったのか興味がわいた。この外見だから同性から言い寄られることもあったはずだ。 「やっぱり言い寄られたりとか?」 「そんなの受け入れるはずないだろ。男との最初は俺から誘ったんだ。」 カツラはあっけらかんと話すがタイガにとっては聞き捨てならない発言だった。 「それ、どういうこと?」 タイガは身を乗り出し聞いてしまう。「他人に興味なかったんじゃないのか?」 カツラは大学のOBとの話をタイガに伝えた。 「まぁ、抵抗はなくなった。俺に無理をさせるような人じゃなかったし。まぁそれでもな。」 当初は男性の「アレ」が自分の中に入ってくる感触は好きになれるものではなかった。とても気持ちがいいといえるものではない。 「なぁカツラ。もしかしてここを開発してくれた人とかいるのか?」 そう言ってタイガはカツラの尻に手を当ててきた。「なんでわかるんだ?」カツラは今まさに思い出していたのだ。自分の体を変えた人物を。 「いや。」 カツラは図星だったがタイガに悟られないように目を逸らした。 「いるんだな!どんなやつ?結構続いたのか?」 「タイガ。彼はその...、慣れてたんだ。男の体の扱いに。医者で忙しい人だったから。続いたのは三か月ぐらいかな?」 その男は独占欲からカツラとの約束を破って二度カツラの中で果てた。一度目は許したが、二度目はさすがに無理だった。しばらく連絡を無視していたら仕事で遠くへ行くとメールがきていた。最後に会いたいとあったが、カツラはそれすら無視した。 そのまま物理的に離れたからその後会うこともなかった。カツラにとっては別にそれはそれでよかった。タイガに出会うまで、カツラにとってセックスはただ快楽を求める手段に過ぎなかった。誰かを好きになって、触れ合いたいからなどの理由ではなかったので、簡単に関係を終えることになんの抵抗もなかった。 しかし、彼のおかげで同性同士のセックスもかなり楽しめるようになったのだから、今タイガとこうしていられるのも彼のおかげなのかもしれない。 「そうか。」  自分で聞いたことではあるが、タイガはやはり面白くなかった。カツラを味わい尽くしたやつがいたのだから。しかも開発したということはかなりの回数、深くカツラを貪ったに違いなかった。「もし自分だったら、その後あっさりカツラのことを忘れられるだろうか?」完璧な容姿を持つ者を経験した後では次が難しいのではと思ってしまう。しかもカツラは性格だって悪くはない。長い時間、ひきずってしまいそうだ。  もう夜も遅いし、一旦シャワーを浴び、眠りに就こうということになった。タイガはずっとカツラの過去の男、カツラの体を変えた男のことを考えていた。ベッドに入ってからも馬鹿正直なタイガはきっと難しい顔をしていたのだろう。カツラがタイガの様子に気付かないはずがなかった。 「タイガ。」 カツラが優しく声をかけてきた。 「ん?」 「俺にとってこんなに気持ちいいセックスは初めてだ。体だけじゃなく心まで満たされる。お前とは毎日ずっとこうしていたい。」 カツラは言いながら、タイガの首元にキスをする。そのままタイガに愛撫をし始めた。タイガの服をめくり、舌や唇を使って舐めたり吸ったりしながら下へとおりていく。そしてズボンをずらし、タイガの僅かに反応したものを優しく口に含み吸い上げた。 「うぅっ。」 口に含んだものが一気に固くなった。舌でぺろぺろと愛おしそうに舐めまわす。いきり立ったものの付け根から縦に舌を使って舐め上げ、てっぺんをちゅっと口をすぼめて吸いつく。 「あぁ、カツラ。」 そのまま圧を加えながら根本までをゆっくりと口に含む。喉元まで迫ったものを自分の口腔内の全ての筋肉を使って上下に動かしながらしゃぶり始めた。 「はっ、はっ、カツラ。」 上下の動きはだんだん激しくなる。 「ああ...。」 突然いきり立ったものがビクッとなって白濁の液体がカツラの口の中を満たした。カツラは口の中に広がる白い液体を綺麗に飲み込み、タイガ自身を強く吸いながら口からこぼれたものもぺろぺろと舌で舐め、力が抜けたタイガをまるで大好物の一つとでもいうように味わいつづける。 「カツラ、飲んだのか?」 タイガの質問にカツラがタイガ自身を舌で舐めまわしながら上目目線で顔を向け答えた。カツラの表情はとてつもなくエロティックだった。タイガは果てたこともあり心臓がまだドキドキとしていた。 「うん。」 そう言ってあっかんべぇと舌をペロリと出して見せた。赤く染まった舌には白いものの形跡は跡形もなかった。 「カツラ、来て。」 タイガの呼びかけを素直にきき、カツラはタイガのすぐそばで横になった。タイガはカツラにキスをする。彼の口からは自分の味がした。愛おしさがこみ上げ、舌を深く侵入させキスを続ける。 「こんなことまでその医者に教わったのか?」 「タイガ。男のやつを飲んだのはお前が初めてだ。」 「え?」 「全く。俺をなんだと思ってる?ヤローのなんか飲んでたまるか。」 「俺もヤローだけど。」とタイガは思ったが、自分はカツラに特別扱いをされていることが嬉しかった。

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