23 / 215

第23話  4-1  (R18)

 フジキはまだ休暇中だ。彼がいない職場は少し寂しかったが、次に会ったときは恋人の話を絶対に聞かせてもらおうとタイガは思っていた。そんな時、社長である叔父から連絡があった。 「タイガ、お前にミルタまで行ってほしいんだ。ちょうどお前と同世代の者たちも行くしいい勉強になると思うから。」 「え!ミルタって遠いな。それは構わないけどいつなんだ?」 「三日後ぐらい。約ニ週間の研修だ。」 「えっ!それは...。」 「なんだ?都合悪いのか?」 「ニ週間って長くない?」 その間カツラに会えなくなる。タイガが気になることは唯一それだけだった。 「なに言ってるんだ。今後の仕事のためにも必要なことだ。業務命令だからな!頼んだぞ。」 そう言って電話は一方的に切れてしまった。退社後、真っすぐカツラの自宅へ向かう。今日カツラは休みだったはずだ。早く会いたい。 「おかえり、タイガ。」 カツラに迎えられほっとする。そのまま抱きしめる。「あぁ、癒される。いい匂い。」そのまま首筋にちゅっ、ちゅっとキスをする。 「タイガ、くすぐったい。腹減ってるだろ?」 確かに空腹だ。家の中はカレーの匂いがしていた。 「今日はカレー?」 「そうだ、試しに作ってみた。」 キッチンにはいろんな香辛料やスパイスの缶が出ていた。料理にこだわりが強いから一から作ったようだ。皿に盛り付けタイガの前に旨そうなカレーが置かれた。 「カツラの分は?」 「俺は作りながらつまんだから。感想聞かせて。」 一口ほおばる。うまみを含んだ刺激的な味、あとからスパイスが効いて後味もいい。 「旨い!さすがカツラだ。」 隣に座ったカツラはタイガの感想を聞いて満足そうな微笑みを浮かべる。 カツラはグラスに入った酒をたしなみながらタイガを見ている。片手はタイガの太ももの上に置いたまま。 「今日は仕事どうだった?」 タイガは叔父からの業務命令を思い出し、憂鬱になった。 「あのさ。研修に行かないといけなくなって。」 「研修?どこまで?」 「ミルタまで。」 「遠いな。日帰りじゃ無理だろ?」 「うん。約ニ週間だって。」 「え?そんなに長く行くのか。」 「うん。今後の仕事に必要な研修だからって。」 「仕事なら仕方ないよな。」 「うん。」 タイガはカツラの顔を見た。カツラはグラスを見つめている。 付き合い初めてからニ人はほぼ毎日時間が許す限り一緒にいた。ニ週間もカツラと離れて大丈夫だろうかとタイガにも不安はあった。カツラも同じように思っているのかもしれない。 「カツラ。」 太ももに置かれたカツラの手に自分の手を重ねて優しく呼びかける。こちらに顔を向けたカツラの眼差しはどこかしら寂しそうだった。 「毎日電話するから。」 「俺たち、生活時間が真逆だろ。メールでいい。」 「うん、でも。」 「ニ週間なんてあっという間だ。な?仕事がんばってこい。」 カツラは立ち上がり、タイガの空いた皿を下げ洗い物に取り掛かった。 「風呂、入ってこれば?」 「あ、うん。」  ごねられてもどうすることもできないが、あっけなく研修を受け入れられてタイガは少し寂しかった。浴槽に湯を入れ、服を脱ぎ始める。 「はぁ。」 無意識にため息が出る。「めちゃくちゃ寂しいと思っているのは俺だけか。」気持ちを切り替えるためにタイガはシャワーを浴び始めた。髪を洗い頭からゆすいでいると僅かに空気の揺らめきを感じた。「あれ?」と思った瞬間、腰に腕を回された。カツラが入ってきたのだ。彼も裸で素肌が触れ合う。振り向くと深いキスをされた。 「体、洗ってやる。」 カツラはそう言って石鹸を手に取り手で泡立て始めた。カツラとは何度か一緒に風呂に入ったことはあったが、こういう状況は初めてだった。カツラの完璧な体を凝視しながら体を洗われる。その間、お互いの視線は見つめ合ったままだ。とてもいやらしい気持ちになってくる。タイガの一番敏感な部分をカツラが優しく握りしめた。 「うっ。」 そこは既に重力に反して直立しておりいつでも準備ができている状態だった。優しく上下にしごかれ快感で体中がゾクゾクした。タイガはカツラの手を取りキスをする。 「次はカツラの番。」 タイガは自分の体をすすぎ、今度はカツラの体を泡で包んでいく。カツラを浴槽の淵に腰掛けさせ足を大きく開かせる。特に丁寧にその場所を洗ってやる。視線は捕らえたまま。露わな姿で恥ずかしさもあるのか、カツラの表情がなんとも言えず興奮を呷る。泡にまみれてタイガの指がじかに敏感な部分に触れると、カツラの体はビクンと反応した。わざと数回指が当たるようにする。 「んっ、あっ。」 タイガのタッチに合わせてカツラが喘ぎ声をあげる。そろそろ我慢も限界だ。シャワーで綺麗に泡を流してやりそのままの姿勢のカツラの秘部を舌で舐めつくす。 「あぁっ、いいっ!それっ...。」 蜜がとろっとあふれてきた。指をニ本差し込むとすんなりと招き入れられ中できゅっと締め付けられる。 「あぁ、あぁ...。」 カツラも自ら腰を軽く動かしもっと大きな刺激が欲しそうだ。タイガはカツラの胸元のニつを貪り遠慮なく自分自身をカツラの中へと深く差し込んだ。 「うぁっ!」 「うっ、ああっ、はぁっ...。」 今日もカツラの(なか)は最高だ。タイガは深く入ったものに視線をおとし自分の動きによってそれがカツラの中から出てきたり埋もれたりするのを見続けた。カツラもそこを注視している。二人の視線が重なりどちらともなくキスをする。 「タイガ、愛してる。お前と離れたくない。」 カツラが本音を漏らした。タイガはたまらなくなり、腰の動きがより一層激しくなる。 「カツラ、カツラッ、俺だってずっと一緒にいたい。」 再びキスをし、ニ人一緒に達した。強く抱き合い今一緒にいられる時間を確かめ合った。

ともだちにシェアしよう!