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第31話 4-9 (R18)
カツラからレンズをしていると聞いてミモザはやはりカラコンだったかと一人納得する。カツラに近づいたのも本当の彼の瞳の色を見てやろうと思ったからだ。
「大丈夫?」
ミモザは自分のたくらみがばれぬように優しく問いかける。
「悪い。目にゴミが入っていないか見てもらえるかな?」
ミモザはちょろいと思い「もちろん」と返事をした。ミモザはうまいこと言ってそのままレンズを取ってやるつもりだった。彼の本当の瞳の色は大したことのない色にちがいない。よほど自分の瞳の色にコンプレックスがあるのだろう。痛みに耐えてまでレンズを取ろうとしないなんて。そういう結論にたどり着きほくそ笑んだ。
「大丈夫よ。よく見せて。」
ミモザはカツラの隣にしゃがみ込み優しく声をかけた。カツラが顔を上げる。噴水上の街頭の明かりの下で見る男の瞳の翠は吸い込まれるように美しかった。光の反射で翠の中にグレーや薄い黄色がちりばめられているようだ。ミモザは目にした瞬間に理解した。この色はカラコンであるはずがないと。
そして瞳の色だけでなく、彼の目の形にも見とれてしまう。二つのその形は完璧だった。
気付くと男の唇が自分の唇に触れていた。伏せた長いまつげ、描いたような眉。触れた彼の唇は柔らかく冷たかった。軽く唇を吸われ、ミモザの女の部分が目覚める。ミモザは進んで男の口に舌を入れ彼の舌に自分の舌を絡めた。
ミモザはもっとキスを続けたかったが突然唇が離された。瞼を開けると男が自分を見ている。間近で見る男の顔立ちに目を奪われる。彼は本当に綺麗だ。そしてたまらなくセクシーな表情で胸がざわつく。ミモザはこの瞬間においては男に心を奪われていた。私を好きにしていいと本気で思っていた。男に媚びるなどバカな女がすること以外なにものでもないとずっと思ってきたミモザであったが、まさに今は自分が見下していた女と同じことを思っていた。
「どうしてやめちゃうの?もっと気持ちいいことしよ?」
ミモザは甘えた声で男に思い切り胸を押し付けながら腕を回し抱き着いた。当然だが自分の体とは違い固い体だ。顔立ちは中性的で女性と見紛うほど美しいがやはり男であるという事実。そのことが余計にミモザの体を疼かせた。こういう男に抱かれてみたいと。
男からは香水をつけているのかとても良い香りがした。魔法にかかったようにミモザはこの時は彼の全てに夢中になっていた。
「もう返してもらったから。」
「え?」
抱き着いたままミモザが聞き返すと腕を掴まれ体をひき離された。男の瞳は冷たくミモザを見ていた。
「さっき、キスしていただろ?」
「なんのこと?」
わけが分からないとミモザが聞き返した。ミモザはカツラとのキスがあまりに衝撃的過ぎたため、タイガとのことを一瞬忘れていたのだ。そういえばと思い出し尋ねた。
「まさか、タイガとの...。見てたの?」
「彼は俺のものなんだ。だからちょっかい出すのはやめてくれ。」
カツラの言ったことが理解できないらしくミモザは固まった。
「えっ?なにを言っているの?」
「俺とタイガはつき合っている。因みにあいつは女性が苦手だ。いくら君が頑張ったって振り向かない。」
カツラの態度は飄々 としていてミモザは戸惑った。店での対応、自分を口説こうとしたこと、そして先ほどまでの態度、今までは愛想がよかったのに今ではその真逆だ。「これがこの人の素なんだ。」ミモザは理解した。そして悔しいがそうわかった瞬間に彼への興味が涌いていることを自覚した。
「でも...。」
ミモザはなにか言い返そうとしたが言葉が続かなかった。
「君、空気読めないみたいだから。あいつは毎晩俺の家に来てる。意味わかるだろ?」
ミモザは何故最初にカツラが自分を口説こうとしたのかようやく気付いた。タイガを守るためだ。
「他あたりな。君ならいいやつに出会えるだろ。」
カツラはミモザから手を離し立ち上がった。
「さようなら。」
そう言ってミモザを一人残し立ち去って行った。
なんとか会場の中に入りタイガを探す。フジキを見つけ、タイガについて尋ねると体調を崩し先に帰ったとのことだった。
それでカツラもタイガの後を追い、急ぎ自宅に帰ったのだ。
「カツラまでそんなっ。」
「取り返してやったから。あの子のあの顔は見ものだった。」
タイガはくっくっくっと思い出し笑いをするカツラになんともやりきれない気分になった。結局カツラにケツを拭いてもらったのだ。
そしてそれよりもカツラがまたしても自分以外の者とキスをしたことに納得がいかなかった。
「なんでキスしたんだ?」
「お前がされてたからな。それで彼女がいい気になっていたから上塗りしてやった。ざまぁみろだ。」
「防ぎようがなかった!」
「タイガ、俺はおまえを責めていない。俺だって彼女に頭にきた。お前の唇は俺のものなのに。」
「んもー!」
タイガは半分は自業自得だと思ったのでそこまでカツラに気持ちをぶつけることはできなかった。
カツラに近づきまたキスをする。深く深く味わうようにキスをした。薄目を開けるとカツラも瞼を閉じずに自分を見ていた。
「なんだよ?」
唇をつけたままタイガはカツラに聞く。
「別に。」
カツラはタイガの唇を吸いながら答えた。
しばらくお互い見つめながらキスをする。そしてタイガはカツラの服を一枚ずつ脱がしていく。凝ったデザインの裾の長いシャツを脱がすとカツラはタンクトップになった。背中と袖口が大きく開いたタンクトップはとてもセクシーだった。カツラがかがめば胸元の薄桃色のものが見えてしまいそうだ。タイガはタンクトップは脱がさずにカツラを下半身だけ丸裸にした。指で敏感なところをほぐし唾液で緩めていく。カツラにはソファに手をつかせタイガはバックからカツラの中に入った。
「あっ、ううっ...。」
ほぐしたとはいえまだ窮屈な蕾をタイガの固い肉棒が押し広げ侵入していく。カツラは柔い粘膜が広げられていく感覚に思わず声をあげた。
タイガは奥まで侵入し、ゆっくり一定のリズムで動いていく。
タン、タン、タン...、肌同士がぶつかる音が次第に変わっていく。
パン、パン、パン...、パチン、パチン、パチン、パチュン、パチュン、パチュン...。
カツラの蕾はすっかりほぐれタイガの太い肉棒を旨そうに味わっている。蜜を垂らし卑猥な音を響かせた。
「あっ、あんっ...。」
カツラの声がより色っぽくなりタイガの性欲を煽る。
四つん這いになったカツラはたまらなく色っぽい。大きめの作りのタンクトップの袖のところが前に落ち、その隙間からは予想通り薄桃色の二つのものが見えていた。タイガは袖口から色を濃くし固くなったその二つを優しくつかみ指でつまんだり転がしたりと刺激を与える。
「ああぁっ!」
繋がっている部分がきつく閉まる。タイガは我慢ができなくなり、思わずカツラから全て抜き出した。体勢を変え今度はカツラをソファに横に寝かせ再び侵入する。
「はぁぁぁっ!んっ...、タイガッ。」
「カツラ、気持ちいい?」
「ああ、すごくいい。」
頬を染め甘えた声で答えるカツラに性欲が刺激される。タイガはカツラの片足を自分の肩に掛け深く挿入し繋がった部分を見ながら腰の動きを激しくする。激しい動きのせいでカツラのタンクトップがずれ、胸元の片方の薄桃色の突起物が露わになる。たまらず舌でいたぶってやる。カツラの喘ぎ声と共に下半身がまた強く引き締まった。これにはたまらずタイガはカツラの中で果てた。カツラは自分の内側に遠慮なく吐き出されたタイガの生暖かい刺激を受け、ビクンと体を逸らし同じように果てていた。
「はぁ、はぁ、はぁ...。タイガ...、満足した?」
「うん。大満足。」
今しがたの行為のせいで息を切らしながらキスを交わす。
「風呂、入るか。」
「うん。」
二人は仲良く浴室に向かった。
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