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第46話 7-4

湯に浸かっていると遅れてトベラも入って来、カツラの隣に腰をおろす。 「尻はどうだ?」 「さっきよりは少しマシです。まだ痛いけど。」 「しっかし、派手にこけたな。くっくっくっ...。」 トベラに笑われても無理はない。カツラもこんなことは初めてだった。 もう一人の当事者のマツボは優雅に水風呂に浸かっている。かわいいマツボを恨む気にはなれず、これもいい思い出になるのかと割り切るしかない。 「ところで、新店長は決まりそうなんですか?」 「ああ。あと二人までに絞った。」 トベラの様子は何だか厳しそうだ。 「なにか問題でも?」 「一人は酒の知識もかなりありいいんだが女なんだ。もう一人は男だが、彼女よりは知識は乏しい。酒に関しては一般的なものだ。他の点では違いはないんだが。」 「女性でいいんじゃないですか?知識はないよりあったほうがいい。女性では問題なことが?」 「客に舐められても困る。トラブルは避けたい。」 「副店長がいるから大丈夫でしょ。彼、芯はあると思うけど。」 カツラの意見を聞いてトベラはなにやら思案しているようだった。しばらくしてトベラは湯から上がった。 「先にあがる。ゆっくりしてくれ。マツボ、あがるぞ。」 トベラはそう言ってマツボと一緒に先に風呂をあとにした。  カツラがあがるとトベラとマツボは携帯を見ながら一緒に飲み物を飲んでいた。マツボも幼いながらに携帯を上手に使っている。ゲームをしているようだ。トベラはカツラを一切見ることなく携帯とにらめっこだった。カツラはもう自分を隠すことなく体を拭き服を着た。 「カツラ、湿布を貼ってやる。一人じゃ貼りにくい場所だからな。」 トベラの手には湿布があり、カツラは素直に彼の言葉に従い背中を向け、ズボンを少し下ろした。打った位置からしてカツラの尻の割れ目が見えているが気にしている場合ではない。痛くてたまらないのだ。 「明日はもっとひどい色になる。あまり痛みが続くようなら病院に行け。」 「ええ、そうします。」 トベラはそのままカツラをホテルに送り、マツボを自宅に届けた。そして一人車の中でまた笑っていた。「カツラ、あいつあんなに面白いやつだったとは。あのこけ方。」トベラは思い出したら笑いが止まらなかった。しかもマツボがあそこまで懐くのも意外だった。トベラの甥のマツボは人見知りが激しいのだ。「マツボもあいつの魅力にやられたな。」自分が好意を抱いている相手が身内に受け入れられるのは嫌なことではなかった。  そしてトベラは見てしまった。カツラの秘密の花園を。まだカツラに淡い思いがあるトベラはカツラのあそこが目に焼き付いて離れなかった。アレを見た瞬間、そこに自分を思い切りねじこみたいと思い、あの時自制心とおおいに戦ったのだ。マツボがいなければやばかった。同性の男に対してこんな気持ちを抱くとは自分でも信じられないことだった。 トベラはカツラには気付かれることなくカツラの裸ももちろん目で堪能していた。「あいつは俺が思った通りの体だった。いい尻をしていた。俺が抱きたいと思った男だけのことはある。」思い出すとトベラの分身が思い切りいきりたった。「男に対して俺の体がこんなに反応するのはあいつだけだ。まずはこれをどうにかしないとな。」トベラは欲望を発散するため常にキープしている女の所へと車を向かわせた。  トベラの店の手伝いも最終日となった。ニ週間たらずだったが、みんな別れを惜しんでくれた。明後日から新しい店長が来ることになっており、トベラは女性の方を採用したようだ。 「みんながんばって。一緒に仕事ができて楽しかった。」 「カツラさん、ありがとう。これ、みんなから。家でゆっくり飲んでください。」 副店長から渡されたものはトベラの会社が作っているかなり高級な酒だった。 「ありがとう。こんなにいいものを。」 「カツラ、世話になった。もしかしたら、『desvío』に新店長を何日か研修に行かせるかもしれん。その時はまた頼む。ところで尻は平気か?」 「大丈夫です。よくなりました。マツボによろしく。」  最初は憂鬱な研修だったが店長が言っていたように勉強になることもあり来てよかったと思っていた。トベラの意外な一面を知れたのも面白かった。「明日からはタイガとまた一緒だ。尻のあざが少しマシになってよかった。でもタイガは気付くかもしれない。」タイガには正直に話さなければ。またお仕置きをされるのだろうかとカツラは二人の甘い時間を考えながら帰宅の途に着いた。

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