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第49話 7-6 (R18)

寝室に行くとそこにタイガの姿はなかった。タイガの部屋をノックする。 「タイガ?」 「今日はここで寝るから放っておいて。」 タイガはかなり怒っているようだ。 「タイガ、本当になにもなかったんだ。信じて。」  タイガからの返事はない。ついさっきまでは幸せの絶頂だったのに。カツラはトボトボと寝室に戻り一人寂しく眠りについた。 翌朝は昨夜あまり寝付けなかったこともあり、寝過ごしてしまった。目が覚めた時にはタイガの姿はなかたった。「いつもは声をかけてくれるのに。」やりきれない気持ちになり再びベッドに横になる。今日は一日カツラは休日だ。タイガははたしてここに帰って来るだろうか? [今日は自宅近くの方面で会食があるからそのまま自分の家に帰る。] タイガから夕方近くにメールが届いた。カツラはなんと返事をしたらいいのか迷ったが、これ以上タイガを刺激しないように [わかった。] とだけ返事をした。せっかっくの休みを一人寂しく部屋ですごした。  翌日は手伝い後の久しぶりの『desvío』だ。みんな相変わらずの様子だが、カツラの気分は浮かなかった。今夜、タイガは帰ってきてくれるのだろうか。心ここにあらずで仕事をしているとウィロ―に注意される。 「カツラさん、それ、違いますよ。こっちのほうです。」 はっと我に返る。 「そうだった。悪い。」  心の中はざわついていたが、取り繕い平静を装う。仕事中も頭の片隅ではタイガのことばかりを考えていた。「家にいてくれ。」そう祈りながら仕事を続けた。  自宅に帰るとタイガはいた。しかし、自分の部屋にこもりっきりでカツラと顔を合わせようとはしてくれない。ノックをしても放っておいてくれと言われるだけだった。  カツラはタイガのために毎朝朝食を作っていたが、タイガはカツラと会うのを避けるためかそれには手も付けずに早朝に出ていっているようだった。ドア越しに話しかけても無視をされ、そんな日が1週間程続いていき、カツラの精神は疲弊してきた。この頃には「また嫌われた。」と思い始め、「彼はいったいいつ出て行ってしまうのだろうか。引きとめてもいいのだろうか。」などとマイナスな思考ばかりをしていた。  その日は日曜でカツラも休日の日だった。朝早くから目覚めたが、ベッドから起きる気がせず耳をすましタイガの様子を伺っていた。自分が一日ここにいるからタイガはまたどこかへ行ってしまうのかと思い、今日は何をしようとぼぉっと考えていた。 しばらくすると、タイガの部屋から彼が出てくる音がした。タイガの足音は玄関へ向かわずに寝室の方に向かってきている。カツラは急ぎ寝たふりをした。 ギシぃ...。 タイガがベッドに腰をおろしたようだ。何となく顔を覗かれている感じがした。 「カツラ?」 タイガに名前を呼ばれるのは何日ぶりだろうか?わざと今起きたふりをして寝返りを打ちタイガの顔を見る。 「タイガ、おはよう。今日はどこかに出かけるのか?」 上半身を起こし、何気ない感じで質問した。タイガの表情はいつもと変わらない、優しい瞳だった。 「カツラ、悪い。俺、気持ちがコントロールできなくて。」 「え?」 てっきりしばらく戻らないかもう終わりにしたいと言われると覚悟をしていたカツラは、タイガの言葉を聞き返していた。 「カツラにつらく当たってしまいそうで、冷静になるために距離をとってたんだ。カツラが悪くないのは頭ではわかっているんだけど、どうしても気持ちがついていけなくて。カツラのこと嫌いになってないから。大好きだし、愛してる。」 タイガの言葉を聞いて、カツラの瞳から涙が流れた。 「カツラっ。」 「あれ?悪い、自分でもよくわからない。どうして...。」 カツラがいい終わらないうちにタイガがカツラを抱きしめた。 「カツラ、好きだ、好きだ。好きすぎて頭が変になりそうだ。カツラは俺だけのものだ。カツラ、愛してる。」 タイガはそう言ってカツラに激しくキスをする。舌をからめ口腔内を貪る。しばらくして唇を離し荒い吐息のまま見つめ合う。 「タイガ。」 今ここにいる存在を確認しあうように二人、強く抱き合った。 「カツラ、俺マジでやばい。どうしよう。こんなに好きになって。独占欲が半端ないんだ。」 「タイガ。それは俺だって同じだ。お前がいつ出ていくかと生きた心地がしなかった。」 「カツラ、俺はお前から絶対に離れない。カツラは俺だけのものだ。誰にも渡さない。」 タイガはそのままカツラをベッドに押し倒し、カツラのズボンを脱がし足を開脚させ一番敏感な薄桃色の蕾をダイレクトに舌で舐めまわし始めた。 「タイガっ、あっ。」 タイガはトベラが今自分がしているように、ここをこうしたかったに違いないと確信していた。「これは俺のだ。俺だけが味わえる。」舌先まで内側に入れカツラの内部までを味わう。 「ああっ...タイガぁっ。」 カツラがとろけ始めたのでそこを攻めるのは指に切り替えて唇ではカツラの上半身を味わっていく。素早く服を脱がせカツラを生まれたままの姿にした。カツラの体はタイガの攻めに反応しており胸の薄桃色はちいさく膨らみ固くなっていた。自分が舐めまわされ貪られる様子を恍惚の表情で見つめるカツラにタイガは我慢ができなくなり数日ぶりにカツラの中に自分を(うず)めた。  カツラの中は暖かく居心地がいい。内部は波打つようにタイガを締め続ける。タイガは早くも達しそうになり、カツラの顔をみると彼もそろそろイク感じのようだった。激しく早く数回腰を動かしただけで二人一緒に達した。  最近寝不足だったのだろう、タイガと愛し合えてカツラは安心したのか隣で泥のように眠っている。タイガはそんなカツラの寝顔を見て決心していた。「俺たちの国では同性婚が認められている。もう数か月でつき合って一年だ。その時にカツラにプロポーズしよう」と。

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