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第58話 8-4 (R18)

 カツラは悶々としていた。「タイガのやつ、急に二泊三日の出張なんて。お前と暮らしてから俺はお前がいないとやばいのに。」仕事から帰り一人で自宅の湯に浸かり、カツラは心の中で文句を垂らしていた。「店に来た新人も締まりのない顔をしてへらへらしているやつだった。使いものになるのか?」風呂から上がると店長からメールが届いていた。 [明日はシフト変更でウィローと厨房を頼む。] 「タイガのやつ、メールもよこさない。」カツラは一人で今までどうやって眠っていたのかわからなくなっていた。  今夜は店は珍しくのらりくらりとした様子で仕込みに手をかけることができた。新人にも一応カツをいれてやったから、今後は最低限はなんとかなるだろう。 自宅で既に風呂からも上がり、ベッドにあおむけになってレシピノートを顔の前でぱらぱらとめくっていた。そこに玄関の鍵を開ける音が部屋に響いた。 「カツラ、起きてるか?」 カツラはタイガの声にすぐさま反応し、ベッドから跳ね起き急ぎ玄関に向かう。そこにはタイガがいた。彼の帰宅予定は明日だったはずだ。 「一日早いじゃないか!」 カツラは笑顔でタイガに抱きついた。彼の匂いを嗅ぎ、それに癒される。 「予定より早く終わったから急いで帰ってきた。カツラ、ごめんな。携帯の充電機を忘れてしまって。充電切れで連絡できなかった。」 「うん、でもこうして早く帰ってきてくれた。」 カツラはたまらずタイガにキスをした。なかなか離れることができない。 「汗かいてるから。さっとシャワーあびてくるからベッドで待ってて。」  タイガが風呂から上がり二日ぶりに愛し合った。 「で、どうだった、仕事は?」 ベッドに隣で横になり、裸の体をぴったりとくっつけカツラがタイガの顔を覗きこみながら尋ねた。カツラの腕はもう放さないというようにタイガの肩に回され、片足の膝の部分はタイガの股間にあてられている。 「別に。会議に出て会食してって。ホテルには寝に帰るだけだし。カツラは?」 「新人が入った。」 「へぇ。どんな?」 「男だ。明日また一緒に厨房に入るからしごいてやろうと思って。」 「しごく?結構厳しくするんだな。」 「へらへらしたやつなんだ。仕事も雑だし、明日もイライラしそうだ。」 カツラはタイガの体の上に乗り彼にキスをし口の中を味わった。 「いくつなんだ、そいつ?」 カツラは顔を上げ考え込むような表情をしてはっとして答えた。 「たしか...。お前と一緒だな。なんでこうも違うんだ?」  カツラはまたその姿勢のままタイガにキスをした。タイガの手もカツラの尻へと下りていく。両手でカツラの豊満な尻を左右にひろげるように揉みしだく。片手では蕾が開くように尻の肉を外側に引っ張り、もう片方の手では中指を優しく蕾の中にゆっくりと沈めていく。先ほどタイガが中で果てたため、白い愛液がどろっっと溢れ出す。それはちょうどいい潤滑油になり、タイガの指は何の抵抗もなくカツラの中に入った。 「んっ...。」 カツラがタイガの指の侵入を感じ、腰を動かし深く迎い入れる。 「ああっ、タイガッ!」 「ほら、これで機嫌直して。」 タイガはカツラの白い首筋にキスを落としながらカツラの機嫌を伺う。 「あっ、はぁっ、あっ...。」 タイガの指が二本となり、かき混ぜるように挿入を繰り返す。カツラの喘ぎ声がひときわ大きくなったと思ったら、タイガの指はカツラの中でよりきつく締め付けられた。カツラが中でイッタとわかった。体勢を変えカツラをあおむけにし、先ほど指をいれた場所を確認すると白濁を流しながら赤く充血し激しく痙攣している。この視覚的効果は絶大で、普通の男でもこれを目にしたらきっとこの中に自分のモノを突っ込みたくなるだろうと思わずにはいられなかった。「これは俺だけのものだ。」タイガは心の中でそう呟きカツラのそこに一気に自分を埋めた。 「ううっ、はぁっ、ああっ、あっ...。」 よほどいいのかカツラの指先に力が入りタイガの背中に食い込んだ。 「くっ!」 タイガもたまらず声を出し、激しく腰を動かし続けた。数分としないうちにまたカツラに締め付けられ彼の中で果てた。 「気分良くなった?」 「ああ。」 カツラがにやりと微笑んだ。タイガは優しくカツラの髪を撫でる。 「今度久々に店に行こうかな。同い年の新人、見てみたいし。」 「あいつはカウンターはまだまだ無理だ。しばらくは裏方だろうな。」 タイガは自分にだけは甘く優しいカツラをヤキモキさせる同い年の新人に興味を感じた。いったいどんなやつなのか。まさかその新人がカツラに淡い思いを抱いているなどとは思いもせずに。

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