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第98話 10-19 (R18)
「タイガ、カエデとなにがあったんだ?」
フジキのマンションから帰り、その夜一度目の愛の行為を終えた。
カツラが隣で息を整えているタイガにようやくこう聞いてきた。タイガはやっと聞いてきたかと思いカツラの方に向き合った。
「カエデにやり直すチャンスをほしいと言われキスもされた。でも無理だとはっきり伝えた。」
タイガはカツラにはこう伝えようと練習していたようにスラスラと答えた。カツラはわかっていたというように驚くことはなかった。二人の婚約をフジキとカリンに報告したこともあり、カツラの表情は穏やかだった。
「そうか。それでフジキさんたちの前でいきなりあんなことをしたんだな。」
「前々から証人になってもらおうとは思っていたんだ。入籍までに時間がかかるから。」
「ふぅん、そうなんだ。」
「なぁ、タイガ...。」
「どうした?」
「もし、カエデと付き合っているときに俺に出会っていたらどうなっていたと思う?」
「え?」
全く同じ質問を今日カエデにされたばかりだった。タイガは思った通りのことを言った。
「カエデと付き合っていたら...。多分、カツラが俺のことを気に留めていないと思う。だから店に行ったとしても俺の方には来ないだろうから出会ってないんじゃないかな。」
タイガの意見にカツラは納得していないようだ。
「俺が気に留めないって?」
「だってカツラは悲しそうな俺の顔に惹かれたんだろ?カエデに振られていなかったらそんな顔はしないから。」
カツラはじっとタイガの顔を見た。
「なぁ、俺はおまえの顔がタイプなんだ。この体も。カエデがいようがおまえのことは意識する。」
「面倒なのは嫌なんだろ?恋人がいる相手を好きになったりつき合わない主義じゃなかったか?」
タイガがどうあってもカツラが聞きたい答えを言わないことにカツラは少し寂しく感じた。確かにそうかもしれないが。
カツラは聞かなければよかったと後悔した。仰向けになりぼーっと天井を見つめた。
「俺は...。自分でもバカだと思うけどおまえに運命を感じてる。」
ポツリと言ったカツラの言葉にタイガはさっと反応し、カツラに答えた。
「俺だってそうだ。だから、いつかは出会っていたさ。」
タイガはカツラを下に組敷きカツラに声をかけた。
「カツラ、愛してるんだ、本当に。世界で一番好きだ。好きで好きでたまらない。出会えてよかったと思ってる。愛してる。」
タイガはカツラに深くキスをする。彼の舌を絡み取り、口腔内を深く貪る。唇が離れると同時にお互いの唾液が糸を引く。
「んんっ。」
息をする間もないキスでカツラが声をあげた。タイガはそのままカツラの首元、鎖骨とキスをしていく。胸元におりたときには舌で薄桃色の突起をころがし固くさせる。そこを指先でもつかみとり強弱をつけて刺激した。
「タイガっ、ああっ...。」
タイガの甘い愛撫はその後も続く。固くなった胸の二か所を指できゅっと掴みまた首元への愛撫を続ける。お互いの股間は強く押し付けられていた。カツラの腕はタイガの背中に回され、狂う惜しいほどのタイガからの愛情を受け止めていた。
数分間そうしてタイガは素早くカツラの後ろへと回りこむ。カツラの背後から彼の開脚した足元の蕾に手を伸ばし男らしいごつごつとした太い中指を挿入した。一度目の行為でタイガがいつも通りカツラの中で果てたため、指の動きはカツラの内側に溢れた愛液のおかげでスムーズだ。
「くっ!!タイガっ。」
タイガの侵入を受け、喘ぎ声をあげながらカツラが背中を逸らせた。そんなカツラの体を後ろから支えながら、タイガはカツラの脇の横からぺろぺろとぷっくりと反応し色を濃くした桃色の乳首を味わった。
「あぁぁ、あぁっぁ...。」
指と舌、どちらもいいのかカツラはなおさらタイガの性欲を煽る声をあげた。声があがる度にタイガの指の出し入れが激しくなる。
クチュッ、クチュッ、クチュッ、クチュッ、クチュッ...!
「タイガっ、いいっ!あっっ!」
この時には蕾に侵入した指は二本になっていた。カツラが振り向きキスをねだる。タイガはもちろん激しいキスで応える。
「あああっ!」
カツラの声と共にカツラの白濁が放出された。タイガがカツラから指を抜く。
クチュッ…ッ。
卑猥な音をたて挿入した指が愛液の糸をひきながらカツラから離れる。
「悪い、我慢できなくて…。」
先に果てたカツラが息を切らしながらタイガに詫びる。タイガはカツラが果てたことに満足しなおさら欲情した。そして体勢を変え、カツラを下にし先ほどまで自分の指で犯していた場所に今度は固く反り立つもう一人の自分を挿入した。自分の付け根まで深く、体をぴったりとつけた。
「ううっ!くっ!カツラっ!!」
タイガは愛おしくてたまらないカツラの内 に入り気持ちが満たされる。こうして深く繋がると身も心も安心するのだ。
「タイガッ。」
まとわりつくように締め付けるカツラの内部は今夜も最高だった。何度味わってもこれはやめられない。タイガは快感に任せ、思うがままに速く激しく腰を動かした。
「あっ!んんっ、ああっ、...。」
タイガの容赦ない攻めにカツラは意識がとびそうになった。なおも内側を激しく攻められ、先ほど果てたばかりだからか何度もいいようのない快感が全身を駆け巡る。カツラは何も考えられなくなっていた。
「イクっ!カツラっ、愛してるっ、愛してるっ...。」
ジュルルっ!
カツラの内側奥深くにタイガが射精した。お互いに股間を隙間のないくらい密着させながら快感に支配された体がビクビクと反応している。二人がくっついたところからは白い愛液が滴った。
タイガの出したものの存在を自分の中に感じ、カツラは満足してそのまま眠りに落ちた。
「カツラ...。」
タイガはまた激しく攻め立ててしまったと我に返りカツラの様子を確認する。さっきまで艶めかしい顔で声を荒げていたのに、今では長いまつげを伏せカツラは寝息一つ立てずに静かに眠っていた。
また疲れさせてしまったと反省しながらカツラと自分の体を拭き、隣に並ぶ。今愛する人と共にいられる幸せを噛みしめながらタイガも眠りについた。
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