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第108話 10-29(R18)

 まだ初夏の気候は過ごしやすく、時折吹く風は心地よかった。風が吹くとほのかに香る梔子(くちなし)の匂いが体にまとわりつく。 「あああっ、あっ...」 パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ、パンッ...! カツラはレストランの恋人たちの逢瀬の場でまた激しくタイガに背後から攻め立てられていた。カツラに対する強い気持ちのままにタイガの腰は高速で動いている。カツラは狂おしい快感に木に当てた手に力が入る。 「んっ、んっ、あっ...!」 「カツラ、悪い子だっ、カエデにまで色目を使って」 バックからカツラを犯しているタイガはカツラの豊満な白い尻を思い切り掴んだ。 「うっ、ぉっ」 あまりの快感にタイガの声が漏れる。タイガは腰を回しカツラの中に入った自分でカツラの中をかき回し始めた。 「ああっぁ!タイガっ、すごいっ...いいっ、イクっ!あああぁっ!!」 カツラの腰がビクンと反応した。カツラは先に果てたようだ。 タイガはカツラのシャツを脇の上までめくり上げ、彼の乳首を強くつかみ、一層激しく挿入を繰り返した。 「タイガッ、ああっ、あああっ..!」 ビチュッ!! タイガがカツラの中にすべて出し切った。タイガはまだカツラからは抜かず丸見えの白い背中にキスをした。前に伸ばした手ではまだカツラの乳首をもてあそんでいる。カツラは浅い呼吸を繰り返していた。 「タイガ、キスして」 カツラがタイガに振り向きキスを求めた。カツラは舌を出しタイガに舌を絡めるようねだる。タイガはカツラの舌を絡め取り、唇を重ね何度もカツラの唇と舌を吸った。下半身は深くつながったまま、お互いの吐息と唾液を吸い合い、長いキスを終える。 「気がすんだ?」 浅い呼吸を繰り返しながら潤んだ瞳でカツラが確認する。 「どういうことなのか説明してくれ」 タイガはカツラと体を重ね、ようやく頭に上った血が冷め、落ち着いてカツラに問いただした。 「わかった、わかった。まずは綺麗にしないとな」 カツラは気を悪くするところか満足した様子でタイガから離れた。 「うっ」 抜き出す瞬間にもカツラのひだにまとわり締め付けられたため思わずタイガは声を出さす。クチュッと音がしてタイガ自身がカツラの中からすべて出ると、赤く染まった蕾からはタイガの出した愛液が滴る。 「あ、ごめんっ」 タイガは慌ててしゃがみ込み、カツラの尻と股間を持っていたハンカチで綺麗に拭い始める。そして蕾に指を優しく挿入する。 ヌプンッ… 「あっっ、...んっ」 タイガは自分が放った白い愛液をかき出しハンカチで拭き取りはじめた。タイガが与える刺激にカツラが反応する。自ら尻を突き出しもっといじってほしいとせがむように。透けるような白い尻の割れ目の蕾は美しい色をしており、白い愛液を垂らしている部分が丸見えだ。こんなものを目の前に見せつけられつい先程までその内部で味わった快感の記憶が思い出された。当然の結果として、タイガはまたもそこに自分を埋めたくなる。カツラの声もまた気持ちを余計に煽るのだ。 タイガはこのうまそうな蕾に埋めるのはまた今夜帰宅してからと強く自分に言い聞かせ、意識を他にむけながら仕事をこなす。数分後、愛液を全て回収しそっと指を抜く。 「ああっ、んっ、いいっ、あっ...」 気づけばタイガは蕾を舌で舐め尽くしていた。小刻みに舌をチロチロと動かし恍惚な表情で味わっていた。「しまった!」タイガはこのままでは再度この場でカツラを抱いてしまうと思い、カツラにさっと下着とズボンを穿かせた。自分はカツラに気付かれないよう静かに深呼吸をし呼吸を整える。 「カエデと仲良くした方がお前は安心だろ?」 タイガとの行為に満足したのか頬をほのかに桃色に染めたカツラが大木にもたれたまま話し始めた。カツラの言葉にタイガはカツラをじっと見つめた。 「それはそうだけどあれはちょっと」 「ちょっとなんだ?」 カツラがニヤニヤしながら聞いてくる。 「まるで恋人みたいだった」 「はははっ、ちょっと悪ふざけがすぎたか?」 「え?」 「おまえをやきもきさせようかと思って」 カツラが意地悪に微笑んだ。 「え?じゃ、さっきのはわざとなのか?」 カツラが目を大きく見開き、うなずきタイガの意見を肯定した。そしてにっこりと柔らかく微笑んだ。タイガはカエデとカツラが示し合わせ自分をからかっていたことを聞き、思わずカツラの腰に手を回していた。 「おまえはほんとにかわいいな。俺のことがそんなに好きか?」 カツラもタイガの肩に手を回す。そしてキスをしてきた。 「んっっ...」 熱いキスでカツラの吐息が漏れた。タイガは貪るようにキスを続け、僅かに唇を離して自分の気持ちを伝える。 「夢中だ。知っているはずだ」 タイガはなおもキスを続けた。 「カエデとは問題ない。おまえの悩みはなくなったな」 二階に上がり、タイガとカツラはテラスで夜景を見ながら酒を飲んでいた。 「いつの間に?」 「それはカエデから聞くといい。タイガに聞かれたら話すと言っていたから」 タイガはカツラとカエデに自分の知らない間に何があったのか気になった。しかしカツラからはそれをタイガに伝える気はないらしい。 「じゃ、カエデは恋人と大丈夫なんだな」 自分への気持ちがなくなったということはカエデは恋人と円満なのだとタイガは思った。 「ん?別れたらしいぞ」 「え?どうしてカツラがそんなこと知って...」 「相談を受けていたから」 タイガは予想以上のカツラとカエデの距離の近さに驚きを隠せなかった。 「ええっと...でも今夜弟が」 「アロンはカエデになついてるみたいだ。因みに彼の方はまだカエデに未練があるらしいけど」 「へぇ、そうなんだ」 タイガは意表を突かれ言葉を失っていた。そして少し寂しさもあった。そして一人心の中でごねていた。カツラは誰をも魅了する。俺のものなのにと。 「タイガ、どうした?俺の方がカエデに詳しくなって面白くないのか?」 カツラの言ったことはタイガの思いとは少し違っていた。タイガはたとえカエデであってもカツラと親しくされるのはいい気はしなかった。そんなタイガの顔をカツラがじっと見ていた。 「えっと...。なに?」 タイガは自分の独占欲を悟られないように笑顔を受かべごまかした。 「うーん...」 まだ何かあるのだろうか。カツラはなにか言いにくそうだ。 「これは聞いたわけじゃないんだ。俺が感じたことで...」 「なにが?」 しばらくしてカツラはようやく言葉を選ぶようにゆっくりと話した。 「おそらくな、おそらくなんだけど...。カエデはトベラに気があるぞ」 カツラが言った言葉はタイガの耳の中で反響した。

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