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第150話 11-32(R18)
カツラが自宅に帰るとタイガはソファの前で胡座 をかき珍しく酒を飲んでいた。
二人の思い出の酒の朱色の酒だ。
朱色の酒が入ったグラスを手にしたタイガを見、カツラはゆっくりとタイガに近づき隣に腰を下ろす。そしてタイガの手からグラスを取りタイガの顔に触れる。甘えた眼差しでタイガを見つめ、そのままキスをした。舌を絡み取り、唇もそのまま吸う。カツラの腕はタイガの肩に回され顔の向きを変えながら激しくキスをした。
「やっぱりいい酒だな」
カツラが唇を舐めながらキスの感想を言った。先ほどからタイガの瞳は色を濃くしていた。タイガはカツラが帰宅してから一言も発していない。
「タイガ...?」
タイガは無言のままカツラをそっと押し倒し、カツラのズボンを脱がし始めた。
「タイガ、汗流してくるから」
「構わない」
「あっ」
次の瞬間にはズボンも下着も一気にはぎとられ、カツラは下半身素っ裸になった。
タイガは自分もズボンと下着をずらし、いきり立ったもう一人の自分を遠慮なくカツラの中に忍ばせた。
「んんっ!タイガっ」
いつもよりまだ少しキツイが、カツラの内側はさっきのキスのせいか少し潤っており気持ちよかった。タイガはゆっくり深呼吸をしてカツラを見つめる。
カツラと直接深く繋がったため、タイガの気分はかなり落ち着いていた。下から自分を見上げるカツラは美しく、彼の中で自分が一層固くなるのが分かった。カツラは浅い呼吸を繰り返し甘い眼差しをタイガを向けていた。
「なにがあったか話聞かせて」
カツラを下に組敷きながらタイガが尋ねた。
「フヨウの話をしながらセックスなんて嫌だ。お前のことだけ考えたい。タイガも俺のことだけ考えて」
カツラはタイガの頬をそっと撫でた。
「カツラ!」
タイガは確かにカツラの言う通りだと思いそのままカツラに激しくキスをした。そしてカツラを起き上がらせ自分の太ももの上に座らせた。カツラの顔を両手で包み込み、愛おしくてたまらないというふうにキスを続ける。
「カツラ、好きだ、愛してる」
「俺も...タイガが好きだ」
下半身はつながったまま飽きもせず長いキスを続ける。
「あっ、ん...」
数分キスをずっと続けたせいでカツラの蜜が溢れつながった部分はお互い熱を帯び、その部分だけとろけ合っているような感覚に陥る。
「うっ...!カツラ、動いていい?」
「ああ、大丈夫だ」
タイガはカツラに入ったまま立ち上がりカツラをソファの上に座らせた。そして深く入った自分を一度カツラの中から抜く。
ぬちゅっ...
「あっ!」
快感のためカツラが喘いだ。固くいきり立ったタイガの先にカツラの愛液が滴りぱっくり開いたカツラの蕾との間に糸を引く。タイガはそれを確認するとまた深く元居た場所に自分を埋める。
くちゅっ...ちゅっっ
「タイガっ、ああっ!」
「気持ちいい?」
美しく潤んだ瞳でタイガを見、快感で眉間をよせたカツラがタイガをじっと見た。
「いいっ、すごく。ふっ、...あっ、ああっ、おかしくなりそうだ...タイガッ!」
タイガはリズミカルに腰を動かす。その度 に中でカツラにきつく締め付けられ早くもカツラに全て絞り取られそうな感覚になった。
カツラの開脚された足はいつのまにか離さないというふうにタイガの腰にしっかりと回されている。二人は今下半身で隙間のないくらいぴったりとくっついていた。
タイガはカツラのシャツを乱暴に脱がせ、肌を露わにさせカツラの乳首を甘噛みし舌先でチロチロと転がす。
「あああっ!」
カツラは言いようのない快感を後頭部に感じ、我慢できずにそのまま果てた。
タイガはカツラの内側の締め付けが強くなったことを感じ、たまらなくなった。フィニッシュにむけ自分が一番感じる角度に調整し、腰を数回動かしカツラの中に射精する。
「ふふふっ」
不意にカツラが微笑んだ。
「なんだよ?」
「俺の中にお前を感じる。泳ぎ回ってる」
カツラが息を切らしながらタイガに言った。
「カツラ...感じるのか?」
「そりゃ、お前が果てた瞬間はな。生暖かいし。でも嫌じゃない。すごく幸せだ」
カツラが自分の下腹に触れながら答えた。
「カツラ...」
タイガは愛しさでたまらなくなりカツラを抱きしめた。
二人でぴったりとくっつきソファに座って朱色の酒を飲む。
カツラはタイガとこのまままったりとしてまた激しく愛しあいたかったが、タイガはフヨウのことを聞きたそうだ。タイガを我慢させたくなかったので、カツラはフヨウの話をタイガに語りはじめた。
「フヨウは俺を忘れるために女の子と戯 れる店に行ったそうだ」
「ええっ!そこまで...」
「で、その相手が店にのりこんできて全部ぶちまけた。フヨウがしたことを」
「カツラを抱けないから代わりに女を買ったってことか?」
「まぁ...、簡単に言えば…」
カツラは目を逸らしながら答えた。
「カツラ、全部話してくれ。怒ったりしないから。カツラは関係ないんだから」
タイガはカツラを責めるつもりはない気持ちを伝えるために真っすぐにカツラを見て言った。カツラは小さくため息をついて続きを話す。
「俺と同じ髪色、瞳の子を希望したらしい。で、挙句の果てが俺の名前を呼びながら果てたんだと」
「はあ!なんだよそれ!いやっ、カツラに怒ってんじゃないぞ。待てよ?今夜の話じゃ...」
「詳しくは知らないがフヨウは男とも試したらしいな。欲求不満を発散することは仕方がない。でもあんな話が出る度にいちいち俺に言い訳するのがうざいんだよ」
カツラは本当にウザそうだ。
「パパになるって。その店の子との間にできた子か?」
「彼女が言うにはそうらしい。フヨウは避妊していたらしいけど完璧ではなかったみたいだな」
「それなのにまだカツラに気があるのか?」
「俺ははっきり振ったから。後は時間の問題だろ。俺はこんなことで時間を無駄にしたくない。タイガとの時間が大切だ」
カツラがタイガに抱きついてきた。「俺だってそうだ。カツラとすごす時間が大切だ。俺はカツラと家族になるんだ。誰もカツラに手出しできないようにしないと。急いだほうがいい」タイガは法的にもカツラを自分だけのものにするため行動に出ることにした。
「カツラ、会ってほしい人がいるんだ」
「え?」
「俺の叔父さんに会ってほしいんだ。カツラを紹介したいから」
カツラは美しい翠の瞳を見開いて、タイガの顔を見つめた。
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