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第165話 14-6(R18)
カツラが目を覚ますと、自分のベッドに寝かされていた。隣にタイガの姿はない。
ノロノロと体を起こす。カツラの体は綺麗に拭かれていて、辺りを見回すと綺麗にたたまれた自分の服が置いてあった。
さっと服を着、部屋から出る。リビングにはタイガがパソコンに向かってソファに座っていた。時刻を確認するともう朝方の四時だった。
「こほっ」
カツラがせき込むとタイガがぱっと振り向く。タイガの顔は大好きなおもちゃを与えられたこどものように無邪気な表情だ。
「カツラ、目が覚めた?体、大丈夫?」
「ああ...」
タイガの表情は先ほどセックスをしたときとはがらりと違う。いつもの落ち着いた優しい顔だ。カツラは少し戸惑いながらもタイガの顔を見つめた。タイガの声を聞くと体が無意識に疼き数時間前に味わった快感を求め体が奥底から火照った。
「仕事か?」
カツラが尋ねるとタイガはまあねと答えた。そっとタイガに近寄り背後からパソコンの画面をのぞき込む。するとタイガの足元には昨夜彼が用意していたスーツケースがあった。目にした瞬間なぜか胸がズシリと重くなる。
「カツラ、疲れたろ?もう少し横になったら?鍵はかけておくから」
「なんで…?もう服着てるんだ?」
カツラはタイガの正面に回り込み、タイガの膝の上にまたがった。肩に手をかけ、こちらに注意をむけさせる。
「えっ...」
カツラの態度の変化にタイガは驚いたようだ。
「もう一回したい」
そしてカツラからの思いがけないこの申し出にタイガは胸を撫でおろす。先ほどのセックスは満足してくれたのだと。
「カツラ...」
カツラは自分の中に生まれた変化に戸惑っていた。当然のようにカツラの中で果てたタイガに憤りを覚えていたのにまた抱かれたいと思うなんて。しかも今すぐにここから立ち去ろうとしているタイガをどうしても引きとめたかった。
カツラはタイガと額同士をくっつけここぞとばかりにタイガを責める。
「お前...なんで中出しした?待てって言ったのに」
タイガの薄く明るいブルーの瞳がカツラを見返した。
「俺とカツラはずっとそうだったから」
タイガは全く悪ぶれることもなくさらっと答える。
「え?毎回中出しか?」
「そうだよ。でも...」
タイガが体勢を変えカツラをソファに横にする。
「今のカツラが嫌ならゴムつけるよ?今はないから...。今日するのはやめて」
「構わない」
「え?」
カツラはタイガから目を逸らしていた。そして聞き取れないくらいの声で言う。
「どうせさっき思い切り出したんだ。いまさら同じだろ。したいんだ。性欲はあるって言ったろ」
男からの中出しをずっと拒否してきたカツラは自分のポリシーを踏みにじられたように感じタイガにかみついたが、不思議とタイガが中で果てたことは今となってはどうでもよかった。以前他の男に中出しをされた時の怒りがタイガに対しては露ほども感じられない。そんなことよりこの男に抱かれた先ほどの快感をもう一度味わいたかった。素肌同士を重ね、もっとタイガと触れ合いたい気持ちになっていた。
「カツラ...」
「ほら...早くこいよ?お前は俺がほしいんだろ?好きにしていいから」
愛しい男にこんなことを言われひきさがれるタイガではなかった。
「カツラ!愛してる」
タイガはカツラに唇を重ね、好きで好きでたまらないというふうに深く激しいキスをする。
「んっ」
キスの吐息をもらしながらカツラは恍惚な気持ちになっていた。「こいつ...キスが上手い。普段はこういうことには程遠いくそ真面目な顔しているくせに...。あぁっ、もっと絡めたい」カツラは自分の思うままにタイガとのキスを交わす。
数分後、スウェットを着ていたカツラはタイガにさっと脱がされまた激しい愛撫を受けていた。ソファに手をつきバックからタイガに蕾を舐めまわされる。
「あああぁっ、タイガっ...、いいっ!それより早く...」
「カツラ、これよりどうしてほしんだ?」
タイガは舌を小刻みに動かしチロチロとカツラの蕾に刺激を与え続けた。カツラは尻をタイガに思い切り押し付け自分の指を蕾に伸ばしそのまま赤く充血する蕾の中に指を埋める。
クチュッ...
「んっ...」
そしてタイガを 煽 るように指を抜き差しし始めた。
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、...
「あっ...ほらぁ...ほしいだろ?」
カツラが息を切らしながらタイガを煽る。
タイガはもだえながら自らの指で蕾をいたぶるカツラの姿を見、目が血走っていた。先ほど自分が出した白濁がカツラが指を出し入れする度に蕾からあふれ出る。タイガは我慢できなくなりカツラの指を手に取り蕾には自分自身をそっと触れさせた。そして内側に侵入していく。
「あああっ!」
太い肉棒が蕾のひだを押し広げながら自分の中に入ってくる。カツラは歓喜の声をあげた。
「うっ!!ふぅ...」
タイガも気持ちよさのあまり声を出す。
チュパァッ…
ゆっくりと確実につけ根まで挿入した。カツラの内部に残っているタイガの白濁があふれ出る。タイガの侵入を受け、それは潤滑油のように二人の繋がりの動きを滑らかにする。タイガがカツラの腰を背後からしっかりと掴み腰を動かし始めた。
パチュン、パチュン、パチュン、パチュン、パチュン、パチュン、...!
素肌と愛液の混ざった音が部屋に響く。カツラはタイガの太いモノに内側の奥を攻められ狂おしい快感に身を委ねていた。「ああっ、いいっ!もっと、もっとほしいっ!たまらないっ...」内部に侵入したタイガはずっといいトコロにあたっている。
「んっ、!!ああああっ!!」
自分の中で何かがはじけ、体中に血液が駆け巡る。同時にカツラは白濁を放出した。タイガにつかれた部分の刺激はすさまじく、タイガを包み込んだカツラの粘膜は何度もタイガを締めつけた。
「ああっ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ...」
カツラは果てたがタイガの腰はなおも激しく動いている。いいようのない快感の渦に飲み込まれ、カツラは意識朦朧としてきた。
「タイガっ、おかしくなりそうだっ、ああぁぁ...いいっ!」
「カツラ、好きだっ、好きだっ、愛してる!くっっ!!」
少し角度を変え深く挿入されと思ったら違う刺激が起こりカツラはまた歓喜の声をあげる。その瞬間、また感じた。自分の腹の中をタイガの出した精液の暖かさが満たしていく感覚。
「あっっ…!んっ…」
カツラはまた中で激しくイッた。固くたった自分からはほとんど精液は出なかった。後半はほぼ下半身への刺激だけだったが、カツラの乳首は固くなり色を濃くしている。激しいセックスのため、カツラは涙目になった。息が切れソファに顔を埋める。
タイガはぴったりとカツラに覆いかぶさり、まだカツラの中で強く脈打っている。タイガとのセックスにカツラは満たされていた。癖になるほどの快感だ。
「はぁ、はぁ、...タイガ?」
「カツラ、大丈夫?」
セックスの時とは違い、タイガの表情は穏やかで優しい。
「平気だ。タイガ...、お前、出しすぎ」
「ごめん」
タイガはカツラの硬くなった乳首を指できゅっとつまんだ。
「あっ!!」
カツラの蕾がキュウウッとしまった。
「うっ!はぁ、はぁ、…、カツラ、愛してる」
タイガがカツラを振り向かせ唇を重ねてくる。カツラはタイガを中に感じながらキスを堪能し、額をくっつけた。二人が繋がったところは隙間なくくっついていた。タイガ自身はカツラの中に全て入り全く見えない。ひっついたところから、白い愛液が滴っていた。今ではカツラはそれが気持ち良くて、タイガを責める気は失せていた。
「朝飯作る。食うだろ?」
「うん」
カツラは不思議な気持ちだった。タイガのコロコロとかわる眼差し、表情に自分は 抗 えない、放っておけない。全てを曝 け出してタイガを受け入れてしまいたくなる。
「俺は…こいつのことをもっと知りたいのか?」まだ濃厚なキスを続け、長い間隙間のないくらいぴったりとくっついていた。
当初、カツラにとってタイガという男は鬱陶しくて苛立つ男であったが、こうして肌を重ね触 れられるとたまらない気持ちになった。行為の間タイガがカツラにむけて囁く愛の言葉も耳に心地よかったのだ。これがなんなのかよくわからなかったが、しばらく様子を見なければなならない。
カツラはタイガを無意識に受け入れようとしている自分に気付かずに、荷造りをしたタイガを家に引きとめた。
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