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第196話 15-22(R18)

「さっきソロさんから聞いた。親子で来るって」 カツラの言葉を受けタイガは先ほどソロから伺ったことを伝えた。 「おばさんがタイガに興味深々なんだろうな」 ヤキモチでまた我を失ったことについて自己嫌悪に陥ったタイガをカツラは慰めるように背中を撫でていた。 「俺はタイガの夫でタイガは俺の夫だろ?なにも気にすることはない。ゼファーは友人だ」 タイガはカツラに抱きついた。 「俺もカツラが幼い時に会いたかった」 「タイガ。それは俺だって同じだ。自分のほうが俺を愛しているなんて思うなよ?」 カツラが抱きしめ返し言った。どうしたら伝わるんだ?俺がお前にこんなに夢中だってこと。カツラはタイガは相変わらずわからずやだと思ったが、そんなところさえもかわいく愛おしく思ってしまうのだった。 「魚おろすの手伝って。教えてやるから」 「うん」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 気付くと一時間近く経っていた。ソロはアトリエで今取り掛かっているデッサンに色を付けていた。つい夢中になってしまった。カツラのことが気にかかったことを思い出し、急ぎダイニングへと向かう。 「そうそう、上手いじゃないか。ここはこうして...」 廊下に出るとカツラの楽しそうな声が聞こえた。ひょいとキッチンを覗くと、カツラとタイガは二人肩を並べソロが釣った魚をさばいていた。 「ムニエル用は冷蔵庫に入ってる。今からマリネを作るから」 カツラがソロの存在に気付き、下準備の経緯を話した。ソロはカツラの隣で大人しく言われた通りに作業をしているタイガの表情に注目した。タイガの雰囲気は先ほどとは全く違う。まるで忠犬だ。カツラが手懐けているのかとソロは一瞬かすめた不安は杞憂だったようだと胸を撫でおろした。 コンロの方に目をやるといい匂いを漂わせているスープもあった。 「ブイヤベースか?」 ソロがスープに目を凝らしながら尋ねるとカツラが「正解!」と誇らしげに答えた。 「カツラの料理の腕がここまで上がるとは」 ムニエルの調理以外ソロの出番はないようで、今夜の夕食の支度はほぼ完成しつつあった。 「ゼフ達の到着までもうしばらくかかるだろ?俺たちは上でゆっくりしているからここ任せても?」 マリネの盛り付けが終わったカツラがソロに声をかけた。 「ここまで準備してくれたなら上出来だ」 ソロは片手を上げながらここはいいから早く上へ行けと答えた。 飽きもせずまた二人でじゃれあうのかと、ソロは無言で首を振りながらムニエルの支度にとりかかった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「カツラッ!」 二階に上がり部屋に入った瞬間、タイガが背後からカツラを強く抱きしめた。そのまま自分の方に振りむかせ唇を奪う。 「タイガ」 カツラもタイガにキスで応える。ベッドに座りそのまましばらくキスを続ける。 タイガはベッドのそばに(ひざまつ)き、カツラのウエストに手をかけズボンを脱がそうとする。タイガが今からやろうといていることにカツラも合意で、ズボンがぬぎやすいようにタイガのタイミングに合わせベッドから腰を軽く浮かせた。タイガはつまさきまできたズボンを丁寧に脱がせる。 カツラは今日もタイガの用意した下着をつけており、わずかに反応したカツラの分身のふくらみを目立たせていた。我ながらいやらしい下着を選んだものだとタイガはつくづく思ってしまう。カツラの白い肌に栄える今日の下着は赤い超ビキニだった。タイガは太もも、膝を舌と唇を使い優しく愛撫をしていく。 「ふふっ、くすぐったいな」 少し照れながらつぶやくカツラとタイガの目が合う。 「気持ちいいだろ?」 タイガはそう言うとカツラの足の指までちゅぱちゅぱと舐めつくす。 「あっ...、タイガッ」 「カツラの全部好きだ。全部、全部」 タイガが愛の言葉をかけながら愛おしそうに自分の足の指までしゃぶりつくすのを見て、カツラはたまらなくなった。 「タイガ」 カツラは自らゴロンとベッドに手をつきタイガに尻を向けた。目の前に突きあげられた尻は丸みがあって豊満だ。下着がしっかりと割れ目に食い込み、半分以上尻の肉がはみ出している姿は性欲を大いににそそるものだ。カツラの尻だけ見れば女性のものとなんら変わりない。男性であるがゆえにほどほどに筋肉があり、引き締まっているのがいいのかもしれない。 女性に劣らぬ美貌を持つカツラにタイガはますます夢中になり独占欲を(あらわ)にした。タイガはまだカツラから下着をずらさずに、手と口を使い尻に愛撫を始めた。 「ぁ...ん...」 カツラの反応に満足し、タイガは薄い下着の布に指を掛け尻を揉む。下着の上から割れ目の線に沿って舌を添わせる。 「ああぁっ!」 そして尻を包み込むように両手で揉みながら、下着の下でひくついている蕾に舌を這わせた。 「タイガッ...」 タイガは昨夜ベッドの枕元に忍ばせておいたローションを手に取り、カツラの赤いビキニをずらしたと同時に蕾に円を描くようにローションを塗った。 「ふっ!タイガッ、いつの間に?」 ヒヤリとした冷たい感触でローションを塗られたことに気付いたカツラがタイガに振り向いた。カツラは少し息を切らし、瞳は緩い快感で潤んでいた。 「これがあるほうがカツラ、つらくないだろ?」 タイガはそう言いながら蕾に優しく中指を挿入し中をゆっくりとかき混ぜはじめた。カツラの表情を見てたまらなくなったのだ。 「ああぁっ、あぁぁっ、...いいっ!タイガッ!!」 タイガの指の動きに合わせてカツラは(なま)めかしい声をあげた。

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