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第238話 15-63(R18)

ソロを起こさないようにそっと玄関のドアを開け中に入ると、ダイニングの小さな灯りがつけられたままだった。そこにはメモ書きがある。 【友人の家で呑んでる。日付が変わったらそのまま泊まる。】 タイガとカツラは目を見合わせた。 すでに時刻は0時を過ぎていた。このメモ書きがここにあるということはソロは今夜、帰って来ない。そう理解した瞬間、二人はどちともなくキスをした。しばらくお互いの唇を貪り合い、唇を離し微笑みあった。 タイガが再びカツラにキスをする。タイガのキスは激しさを増し、カツラは背後にあるソファーの背もたれに腰を預けた。 ゴツゴツとしたタイガの大きな手がカツラのスカートの中にするりと滑り込む。ほどよく弾力があり揉み応えのある生尻をタイガは両手で遠慮なく掴むと、自分のものだと確かめるようにゆっくりと円を描くように揉み始めた。 唇を離しカツラの首元にキスを落とし、今日何度も我慢した欲望を解放する。尻から手を離さずカツラの前にしゃがみこみ、前太ももにもキスをする。そしてカツラに後ろを向かせスカートをそっと上にめくった。均整の取れた上向きの白い尻が現れた。黒い下着が割れ目に遠慮なくくいこんでいる。タイガはたまらなくなり、目の前の尻に顔を埋めた。 「カツラ…カツラ…」 カツラの名前を呼びながら音をたて尻にもキスをした。女装をし、香水をつけいるせいか女性の服を着ているからか、カツラの生肌からはいい香しかしない。尻と太ももの境目を何度も親指でなぞりながら、タイガはこころゆくまでカツラの尻の感触を堪能する。 「あっ…タイガ…」 カツラはソファーの背もたれに手をつき、体をくねらせながら尻を突き出しタイガにされるがままだった。タイガがそっと片手をカツラの股間に忍ばせた。 「はっ!!タイガぁっ…」 カツラは体をビクッと反らせ、なおさら尻をつきだした。 タイガは立ち上がり、ブロンドのロングヘアーの束を右胸元に回し、カツラの首元からファスナーを下ろしていく。きめ細かい白い背中が顕になる。そのまま肩から服を下ろし、体に密着したワンピースをゆっくりと爪先まで下ろした。際どいTバック姿のカツラの後ろ姿は髪が長いせいもあり、女性のものに見えた。 タイガはもともと女性がだめだったわけではない。異性に苦手意識を持った一番多感な思春期に出会ってしまったのが、女性と見まごう容姿を持つ男性のカエデだった。内面の美しさが溢れ出ているカエデに敵う女性は当時、男子寮と学校だけで生活するタイガの周りにはいなかった。結果、タイガはカエデに恋をした。性がまるで違う女性よりも同じ部分をもつ同性のカエデとの付き合いは何の不自由もなく常に満たされていた。タイガはいつもカエデを抱く側であったため、わざわざ女性を求める必要はなかったのだ。 こんな長年の習性を通して、自分でも気づかぬうちにタイガは女性と同じような、あるいは女性に劣らぬ美しさを持つ男性に強烈に惹かれるようになってしまっていた。カエデの他を考えたことなどなかったタイガであったが、一方的にカエデに振られすぐにカツラに出会った。失意の底にいたタイガがカツラに一目惚れするのは仕方のないことであった。 カツラはまさにタイガの理想そのものだ。容姿だけでなく、カツラは人間性においても人を惹きつける。タイガは自分の夫兼妻となった男に夢中なのだ。 「カツラ…、カツラ…。愛してる。俺の宝物だ」 タイガはカツラの胸に腕をまわし、すでに反応し硬くなっているカツラの両方の乳首を親指と人差し指できゅっとつかんだ。そしてむきだしになった左側の首筋を吸った。 「ああぁ…」 カツラはタイガに触れられるところが全て気持ちよく、甘い吐息(といき)をもらしながら愛撫に酔っていた。もっとタイガに触れられ、もっとみだらなことをしてほしい。そんなことを思いながら振り向き、舌を伸ばしタイガにキスをねだる。もちろん、タイガはカツラの舌に吸い付き、クチュクチュと音をたて唇を貪った。

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