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第270話 18-5

翌日、タイガが目を覚ますとベッドにカツラの姿はなかった。昨夜はやりすぎたとがばっとベッドから起き、寝室を出る。カツラはいつもと変わらぬ様子で朝食を作っていた。カツラの様子は普段通りであるが、服装は初めて見るものだった。というのもいつもカツラは上下スウェットを着ているのだが、今日はラフなショートパンツに丈の短いTシャツ姿だった。形の良い白い足が美しく、タイガはまた欲情した。その場に固まっているタイガにカツラが気付いた。 「おはよう。シャワー浴びてきたら?」 「カツラ」 タイガはカツラを背後から抱きしめた。先にシャワーを浴びたようでカツラからは石鹸の香がした。タイガはカツラを椅子に座らせ太ももをつかみむき出しの生足にキスを落とす。 「こら、タイガ」 カツラはくすぐったいのかクスクス笑いながらタイガの頭をなでた。 「出勤時間が近いだろ?急いだ方がいい」 そうは言われても目の前にこんなおかずを用意されていてはタイガが我慢できるはずがなかった。タイガはカツラの肌に唇をあてたまま手をショートパンツの中へと滑らせた。手はカツラの生尻に触れた。今日のカツラはTバックのようだ。タイガは賭けていた。普通の下着ならこのまま引き下がる。Tバックならカツラを抱くと。 タイガはカツラと一緒に立ち上がった。そのまま唇に甘いキスを落とす。カツラはタイガが言う通りにするとすっかり油断している。その後のタイガの行動は早かった。 カツラに後ろを向かせ、ショートパンツに手をかけばっと下に下ろした。 白い丸尻が現れた。もちろんタイガの予想外通り、割れ目には青い布がくいこんでいる。 「タイガっ」 突然のことにカツラは恥ずかしそうな声をだした。それがなおさらタイガをあおった。 「こんなもの見せられたら我慢できるはずないだろ?」 タイガはカツラの腰にある紐のように細いTバックの布に人差し指をかけた。そして耳元でささやく。 「いま、食べてあげるから」 今、タイガはカツラとウィローが手伝いにきている酒のイベントにきている。やはり昨日より人が多い。時刻はもうすぐ19時半になる。カツラと一緒に帰宅しようとタイガはわざわざこの時間まで仕事をしていた。 今朝、心地よい気だるさの中、予定通りの時間に出勤したタイガであったが、カツラとの愛の営みのおかげて精神面は充実していた。朝食は食べ損ねたがカツラがパックに詰め込んでくれたので、昼食に食べることができた。気分よく一日をすごせたタイガは愛しい恋人に会うため人混みの中、レンガづくりの建物を目指す。 今夜は室内も人、人でごった返している。各ブースに人だかりができていた。カツラたちがいる目的のブースにもかなりの人がいるようだ。心なしか女性客が多い。その理由が遠目からでもタイガにはすぐにわかった。カツラがいるからだ。ブースに少し近づくと最高の笑顔で接客をこなすカツラの姿があった。長身のカツラは女性客がむらがっていても目立つ。しかも昨日のウィローと同様の制服を身に着けており、それはカツラのスタイルの良さを際立たせていた。偶然にもカツラと同じ瞳の色の緑のアスコットタイがカツラの顔を余計に華やかにさせていた。普段見慣れているタイガでさえ見惚れてしまう貴公子さながらのその姿に周りの女性客はうっとりとした表情だ。カツラが試飲を勧めるたびに酒が売れていく。よく見れば棚にたくさん並べられていた酒はかなり品薄状態になっていた。 タイガがそばに行ってはカツラがやりにくいかもしれない。カツラの邪魔はしまいとタイガはその場を離れイートインコーナーへと向かった。

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