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第314話 19-17

自分は甘かった、甘すぎた。若気の至りではすまない。年上のケリアからすればなんと扱いやすいバカな男だったのだろう。カツラはケリアとの一件は自分の人生の汚点であるとすら思っていた。 あの夜以降カツラはケリアのことを一月避け続けた。毎日のように届いていたケリアからのメール、電話も減っていき、ふとしたときにケリアのことを頭をかすめるときがあった。今思えばあれも人心を操ることに長けているケリアの作戦だったのだ。 そんなときにケリアからどうしても会って謝りたい、最後でもいいからと久しぶりのメールが届き、カツラはそれを了承した。 待ち合わせ場所に現れたケリアは少し痩せていたが普段通りだった。 ここでカツラはケリアの罠にはまる。それで終わりにすればよかったのに、まだフリーであったカツラは暇つぶしになればと軽い気持ちでケリアと次の約束を交わしてしまったのだ。 それはその次もその次もと続いた。ケリアの態度は実に紳士的で過去に犯した過ちを心底悔いていると暗に感じさせるものだった。 会う回数を重ねるうちにここまで反省しているのだから、一度の過ちなら許してやろうかという気持ちにカツラはなっていた。 ある夜、ケリアの家でディナーをすることになった。もともと料理好きであったケリアはカツラに料理の腕をふんだんに振る舞い、二人の仲は仲違いする前のように戻っていた。キスをし、そのままベッドにむかう。 ケリアは自らゴムをつけ、カツラの中に入った。その夜は久しぶりなので何度も体を重ねた。一晩中貪りあったのだ。眠ることもせず朝方、再び行為に及ぶ。 激しい愛撫を受けたカツラの体は肉欲に溺れ、下半身への注意が逸れていた。たしかにケリアがゴムを装着したところは見たのだ。 ケリアに背後をむかされ、バックから挿入される。ケリアが入った瞬間、僅かな違和感はあった。しかし、その日はもう何度もケリアを中に含み、カツラの一番敏感なところは粘液が溢れていた。気のせいだと思いケリアに合わせはげしく腰を動かす。両手でうち太ももを掴まれ、そのままケリアの足の上に足を大きく開脚した状態で座らされる。ケリア自身はカツラの蕾のような赤く熟れたアナルにすっかり飲み込まれ、全くみえない。挿入を繰り返すが、ケリアに顎をつかまれ、振り向き様に激しいキスをされ、快感を与え続けるそこをみることはできなかった。なによりも久々の官能にカツラは夢中になっていた。 激しい喘ぎ声とともにカツラが果てると、中にいるケリアを思い切りしめつけた。ケリアも一際大きな声をあげて射精した。 しかしゴムが受け止めるはずのケリアの精液はカツラの体内に再び放たれた。カツラは以前経験した嫌悪感を抱いた感覚にまさかと思いこのときになってようやく繋がったところに目をむけた。 カツラとケリアが繋がったところからは白い精液が流れていた。それはカツラの体内から溢れていた。 「俺はそのままシャワーを浴びてタクシーで帰った。あいつの連絡先はその日のうちに消去した」 「そんなことですんだのか?」 「まさか。やばいやつだって言っただろ?着信拒否していたから違うアドレスでもメールがきた。最後に会いたいって。また最後にだ」 タイガは黙ってカツラの話を聞いていた。あまり人に固執しないカツラが珍しく感情をむき出しにしている。よほど腹がたったのだろう。カツラが当時を思い出しその怒りをはき出していくにつれ、反対にタイガは徐々に冷静さを取り戻していった。 カツラがケリアにされた仕打ちを聞いて、タイガもひどい男だと思った。同時に許せないと。 自分はなんと見事に騙されたのであろうか。タイガはようやくケリアという男の素顔を知った気がした。ここでケリアがタイガにほどこしたマインドコントロールは完全にとけていた。 「絶対に会わない。そう決めていたから。会わずに今に至るだ」 「カツラ…」 「タイガ。ケリアが厄介なのは人の気持ちなんておかまいなしなのさ。自分のやりたいようにやる。実に巧妙なやり方で。気づいたときにはもう手遅れ。彼には全く悪いことをしたという自覚がないんだ」 「おいで、カツラ」 タイガは一通り話し終えたカツラを抱き寄せた。 「俺にも非はあったと思う。でもおれはあいつが嫌いだ」 「うん。わかるよ。カツラ、つらかったな」 タイガはよしよしとカツラのサラ髪を撫でる。そして気になった。自分はカツラと結ばれてから中出ししかしていない。このような経験をしているのに本当に大丈夫なのどろうかと。 「カツラ」 「タイガ、抱いてくれ。おまえので満たして。嫌なこと思いだしたから実感したい。今俺はおまえのものなんだって」 カツラはタイガから離れまっすぐと瞳を見て懇願した。

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