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𝐷𝐴𝑌 𝟙𝟙 ⇨ 𝐷𝐴𝑌 𝟙𝟚 ②

 「いらっしゃい。おっ来たな!」    Rock the Ocean夜のバー営業に約束通り、東とつばさがラフな私服姿に着替えてお店に入ってきた。昼間のカフェのイメージとは変わって、カラフルなネオン看板に店内の音楽は、洋楽ロックのリズムが店内に鳴り響いている。  「二人ね、今日は空いてるからどこでも好きな場所に座って」  「あっ二名じゃなくて三人でもいいですか?」  「三人?」  その言葉の後に続いて腰低くドアから入ってきたのは礼。開いたドアからは雨の音が店内のロックのサウンドに消えないくらいの音を鳴らし、この時間になっても止むことな降り続いている。  「えっと今、須野で一緒にパトロールしてくれてるライフセーバーの真壁さん」  東がそう言うとポタポタと雫を落としながら傘を折りたたむ礼が顔をあげた。    「こんにちは。お邪魔じゃなければご一緒してもいいですか?実は、この店の事は以前から訊いていて行ってみたいと思っていたら、ちょうど東さんが誘ってくれまして」  「おーそうか、もちろん大歓迎だよ!じゃこっちの広いテーブル座るか」  奥のテーブルに案内され並んで歩く三人に女性客達の視線を集まる。これぞ海の男達!なセクシーな焼けた肌と体格はやはりいつの時代もモテる男の象徴だ。  「何飲む?今日はこんな天気で客足もイマイチだからバイトの子も嫁も帰って今は麻比呂と二人だよ。今夜は男だけで飲むかっ!」  「いいですね〜おじさん!今日は協会のお偉いさんの歓迎会兼ねてだからよろしくです!」  「いや別にお偉いさんではー…」  テンションの高い父親とつばさに置いてきぼりにされた礼が東を見ると"座りましょう"と椅子を引いて並んで座った。  「えーっと真壁くんって言ったっけ?お酒は好きな方?」  「仕事柄飲む量は制限してますが好きですよ」  「マジですか!?徹底してますねー!さすがだライフセーバーの鏡ですよ〜」  「つばさ、お前は少し見習えよ」  あははっと笑いが漏れるテーブルでは、浜辺にいる時の緊張感漂うライフセーバーの顔つきは消え失せ、今はただ大好きな海に生きる若者達だ。  裏での雑務を終えてカウンターから顔を出した麻比呂の目に父親が談笑しているのが見えて近づくと、まさかの人物が座っているのが見えて足を止めた。  『あっ……あの人、、』  小さな声で言った麻比呂の視線に気付いた礼が軽く会釈を返す。もちろんつい数日前の出来事でお互い覚えてなんて事は無いけど、なぜか目線を外して仕事中で忙しいと言わんばかりに手元を忙しく動かす麻比呂。  「ん?麻比呂、何でそっちにいるんだ?みんなで来てくれたぞ」  『うん、、見ればわかるよ』  振り返ると近寄ろうとしない麻比呂に父親は不思議に思った。仲良しのお兄さん的存在の東とつばさが来るといつもすぐに駆け寄ってくるのにと。  「あっそうそう真壁くんに紹介するよ。息子の麻比呂、お店を手伝ってくれてる」  「、、息子さん?そうですか。それにしても海の側でカフェバーを家族経営なんて素敵ですね」  「まぁ自由気ままにやらしてもらってるよ。そういや、真壁くんはどこから来たんだ?」  「まぁまぁ話は後にして〜おじさん、とりあえず冷たいビール頂戴よ〜喉カラッカラッ」  早くビールが飲みたくてうずうずさせながら、つばさが言うと"俺も""自分も"と東と礼も続いた。  「腹も減ってるだろ?おいしい飯いっぱい出してやるっ!麻比呂、手伝えっ」  『あっ、うん』  
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