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第3話

「なおや、、、」 小さく自分の名前を呼ぶ声に優しく頬を触られた気がして、うっすらと目を開ければ楓がベッド横の椅子に座っていた 「起きたか、、、」 「うん、、」 「どうだ?気分は」 「少しはマシになったよ、、ありがとう」 「そっか、無理はするなよ。」 楓のその言葉に頷けば「授業受けれそう?」と聞かれ、起き上がり「いくよ。」そう返してベッドから立ち上がる 先生にお礼を言い並んで教室に向かっていれば楓が口を開く 「これから はるにぃとはどうするの?」 「、、、分からない。」 「まぁそうだよな、、、、」 そこからはお互い話す事なく教室につき席へつく 授業が始まった後も考えるのは、はるにぃの事で、、、 "これからもいつも通り接する事出来るのかな、、、" そんな疑問が浮かぶけど、一緒にいる時、ふとした時に恋人の存在がよぎるのかと思ったら傷つくのが目に見えている でも距離を置くのは嫌で、、、それにいきなり距離を置いたらはるにぃも不思議に思って連絡をしてくるかもしれない、、いや、家へくるかな、、、 どんな時もはるにぃの近くにいれた幼馴染という関係性が今までは嬉しい事だったはずなのに、失恋した今はこの距離感がひどく辛くて、、、 結局教室に戻ってからもぐるぐる考えてばかりで今日1日授業の内容が頭に入ってくることはなかった 帰り道そんな俺の様子を見た楓が頭を軽く小突きながら 「うだうだ考える気持ちも分かるけど、勉強はちゃんとやれよ!受験生なんだから」 「、、、分かってるよ」 「はるにぃが通ってたとこ行きたいんだろ?」 「うん、、、」 「俺もそこ希望だし、高校でもお前と過ごしたいんだから、、、それに はるにぃに "落ちた" なんて報告したくないだろ?」 「それは、、うん。」 「こんな事言うのはどうかと思うけど、もしかしたら案外早く別れる可能性だってあるかもしれないだろ?尚也と一緒に過ごしてた時間の方が長いんだし、やっぱお前といた方が〜なんて言ってさ!」 「、、、、、」 その言葉に何も言えずにいれば楓はそのまま俺の頭をくしゃくしゃと撫で始めた あまりに急な事に驚いた顔で俺より少し背の高い楓の顔を見上げれば笑っていた 「そーやって考えて暗くなってても変わんねーんだから、今まで抑えてたアプローチ少しやってみたら?」 「でも、、、恋人出来たのにそんなのいいのかよ、、、、」 「まぁ普通はよくねーよな。でもさ俺はそのはるにぃの恋人よりもお前の幸せの方を願ってるからねー」 なんて言いながら悪い顔して笑ってみせる 「とりあえず受験勉強手伝って欲しいーなんて言いながら教えて貰ったら?そこでまぁすこーしアプローチしてついでに勉強も出来る!ほら!どうよ?まさに一石二鳥!!」 今度は得意げな顔してそんな事を言うから思わず吹き出せば 「お前は笑ってる方がいいよ。その笑顔でがんがん押してけ!!」 なんて言いながらまた頭をぐしゃぐしゃと撫でてくる。それに「やめろよ。」なんて言いながらも先程までの暗くなっていた気持ちが少し晴れた気がした

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