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第4話

途中で楓と別れて家へ着けば携帯を開きしばらく考えた後にはるにぃとのトーク場面を開く [あと数ヶ月で受験だし、空いてる時でいいから勉強みて貰えたら嬉しい。] そう簡単な文章を打ち込んだ後に勢いで送ってみる 既読がすぐについて「そっか、もう少しだったな!!もちろんいいよ!」そう返ってくる その返事に思わず「やった!」と口元が緩んでしまう はるにぃの時間が空いている水曜の夜、俺の家で教えて貰えることになった 翌日、楓にその事を伝えれば「よかったな」そう言って笑っていた 「そんで?アピールはどうすんの?」 「それは、、、分かんない。」 「そっか、、、」 そう言うと少し悲しげな顔をして俺の頭を撫でた 「まぁ何かあったら言えよ。お前すぐ我慢するから。とりあえず2人での勉強会楽しめ!」 「うん。ありがとっ!」 その後は昨日の落ち込みが嘘かのように気分が良くて そして遂にはるにぃに教えて貰える日がきた 水曜の1時間、平日の短い時間だけど一緒に過ごせるのは嬉しくて、、、 本当は休日の長い時間が良かったけど、恋人と過ごすからと断られてしまった。その理由にまた痛む胸には気づかないフリをして、、、 「はるにぃ今日はよろしくお願いします」 「絶対合格するように厳しくいくからな!」 「それは、、、頑張ります、、」 「ははっ嘘だよ!そんな項垂れるな!!」 そんな会話をしながら家へやってきたはるにぃを俺の部屋に連れていく そしていざ始まった勉強会、分からない所を丁寧に教えてくれるその姿に心臓はドキドキと音を立てる 何度も隣を盗み見ては真剣な表情の横顔に惹かれて、、、 その度に「集中!」なんて頭を小突かれるけど、少しだけ怒ったような表情にも胸は高鳴って、、、 でも1時間という時間はあっという間で、、、 気付けば「もう時間か。」なんて呟くはるにぃの声にハッとする そんなふうに週に1回の1時間という短い時間を過ごしていけばいく程 "嫌だな、、、終わりたくない、、、 もっと一緒にいて欲しいのに、、、" そんな思いがどんどん強くなっていく、、、 そんな日々を過ごして1ヶ月、そして受験まで1ヶ月と迫ったある水曜の事だった いつもの様にはるにぃがやってきて俺の部屋へいく 始める前にはるにぃがお手洗いへ行った時だった。はるにぃの携帯がメッセージがきたことを知らせた [ヒートがきたみたい] たった一言それだけが表示されていた。 胸がドキンと大きな音をたてる "ヒートがきた、、、?恋人はオメガだったの、、、そりゃそうかはるにぃはアルファだもんね、、、ヒートって事は、はるにぃの事を呼んでる?これを見たらはるにぃ行っちゃう?" そう思ったら咄嗟に手が動いていた 表示されている通知を横にスライドさせて見えなくした後に通知をオフにして携帯をはるにぃのカバンの奥に入れた そのすぐ後に戻ってきたはるにぃが俺の様子が少しおかしい事に気付き「大丈夫か?」と聞いてきたが「平気だよ!早速やろ!」そう言って勉強会をスタートさせた "週に一度のせっかく2人で過ごせる短い時間なのに邪魔しないでよ。2人はこれよりも長く一緒にいるんだから、、、" オメガにとってヒートがどれ程辛い事か、これからバース診断を控えてる俺らには何度も教えられたのに、、、2人で過ごしていくうちに欲深くなった俺の醜い嫉妬心がそれを忘れさせた

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