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第10話

顔を上げ、はるにぃと目が合う 凄く優しい顔をして俺の事を見ていたその姿に息を呑む だから、、、ゆっくりと息を吐いて「お花本当にありがとう。とっても嬉しい。」そう言って貰った花束を胸元で持ち笑顔をみせた。 一瞬驚いた表情をみせたはるにぃはそのまま何も言わない。だけどその目はしっかりと俺を見ていた 不思議に思って「はるにぃ?」と声をかければ "はっ" として「ごめんごめん。」なんて謝りながらも何だか考えるような顔をしていた 少し心配になり「大丈夫?」と聞いても「大丈夫だよ。」そう言って笑顔をみせるからそれ以上は何も言えなかった。 しばらくはそんな調子だったけど時間が経てばいつも通りのはるにぃに戻っていた 家に帰った後はるにぃから貰った花束を瓶に移し替え部屋に飾ろうと広げればメッセージカードが、、、 卒業おめでとう!高校でも頑張れよ。いつでも相談に乗るからな。 そんな事が書かれていて思わず顔が綻ぶ そんな時に携帯が楓からメッセージがきた事を知らせた "はるにぃから貰った花束中の方にカード入ってたけど見た?" そう言って写真も一緒に送られてきていた 写真をよく見てみれば花束は俺とは色が違っていて、、、明るくて優しい楓にぴったりなオレンジ色を中心とした花束になっていた そしてもう一度自分のを見れば俺の好きな青色の花束で、、、俺たちの事を考えながら選んだのかな、、、とはるにぃの優しさを感じて胸がいっぱいになる "見たよ、高校でも頑張ってってさ。合格の報告出来るよう祈っとかないと、、、" "そうだな!" そんなやり取りをしてから数日。ついにきた合格発表の日。 楓と2人学校へ行き発表されるのを息を飲んで待つ 時間になり出された結果に自分の番号を必死に探す 「あっ、あった!」楓の声が横から聞こえた瞬間目の前の番号と自分の番号を見比べる 「俺もあった、、、」ぽつりと呟いた声をひろった楓が横から抱きついてくる 「やったな!またよろしく!」そう笑顔で伝える楓に「こちらこそ!」そう笑顔で応える 2人で記念の写真を撮ったりしていれば楓が「あっ!」と大きな声を出した。 不思議に思いながら顔を見れば、俺の携帯を指さし「はるにぃに報告しなくていいの?」そう問いかけてきた 「そうだね、楓との写真付きで送ろっと!」 「いいじゃん!無事2人合格しましたー!って。」 そんな感じではるにぃにメッセージを送ればすぐに返事がくる [おめでとう!今日何も予定ないからお祝いに尚也の家へ行くね。] その内容に嬉しくて思わず笑みが溢れれば楓がニヤニヤしながら「あれれーどうしたんですかぁ〜」なんてからかってくる 「なんでもないよ、はるにぃが夜お祝いしてくれるんだって。」そう言いながら携帯をしまえば、「めちゃくちゃ嬉しいくせに〜顔ゆるゆるですよ〜」なんて言いながら俺の頬をつつく 「もう、やめろよ。」変わらず俺の頬をつついてくる楓の手を掴めば「わーこわい、、」なんて大袈裟に反応する そのやり取りが楽しくて "高校でも楓とこうして過ごせるのか" そう思ったら再び笑みが溢れた 2人揃っての合格に夜は はるにぃからのお祝い 今日1日が幸せに終わると思ってた 楓と軽くお祝いをして、夕方頃にはそれぞれ家へ帰り、はるにぃを待っていた 自分の部屋で待ちきれなくてリビングでそわそわしながら待っているとはるにぃからメッセージが届いた "そろそろかな?" そう思いながら開いた瞬間俺は家を飛び出していた。 [ごめん。行く予定だったけど恋人から連絡があってさ、今日行けない。ほんとごめんな。]

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