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第12話
"また今度" そう言われた俺は春休み中ずっと待っていた。
だけどいくら待ってもはるにぃから連絡がくることはなかった、、、
気が付けば入学式前日の夜で
"結局こなかったな、、、" ベッドに横たわりながら携帯を眺めていればメッセージが届く
はるにぃかと思って勢いよく起き上がり見てみれば楓からで
[ついに明日だな!一緒に行こうな!!]
文字だけなのに今どんな表情でいるのかが伝わるそのメッセージに笑みが零れる
[そうだな。入試の時みたいに楓が迎えに来てくれるんだろ?]
[もちろん!待ってろよ!!]
その後は持ち物や行く時間の確認をして [じゃぁまた明日!] とやり取りを終える
楓とのやり取りが楽しかったからか1人部屋にいる事に寂しさが襲う。 "もうこのまま寝てしまおうか、、、" そう思っていれば握っていた携帯が震える
"楓が何か伝え忘れていたのか?" そう思って画面を見ればはるにぃからの着信で
慌てて起き上がりその勢いのまま電話に出る
「も!もしもし!!」
「おぉ、、すごい勢いだな、、」
少し驚いた声でそう言った後に軽く笑うはるにぃ。少し気持ちが落ち着いて「あっ、ごめん。」そう言えば「いや、こっちこそ急にごめんな。」そう謝られた。
「ううん、大丈夫だよ。どうしたの?」
「いや、明日入学式だろ?結局お祝い出来てないからさ、入学おめでとーって直接言おうかと思って。」
お祝い出来ていない、の言葉にあの日のことを思い出して少し胸は痛むけど、こうやって直接伝えようと電話をしてくれたのが嬉しくて
しばらく会話が続きはるにぃと繋がれているこの時間が幸せだった
だけどその幸せな時間が終わるのはすぐで、、、
「はるとー!用終わった?」
聞きたくない声が聞こえてきた
"今日も一緒にいるんだ、、、。"
恋人同士なんだから一緒にいるのは普通で何もおかしい事なんてない
それは恋人が出来たと言われたあの日から分かっていた事で
何も行動せずにいた自分がその事に傷つくのも想像せずとも分かっていたことなのに
想像する度に見かける度に傷はどんどん深くなっていく
"あっだめだ、、、" そう思った時には堪えきれずに溢れた涙
「ごめん、呼ばれたから切るね。」慌ててそう言って返事を待たずに通話を終わらせれば、とめどなく流れてくるから、、、
暗く静かな部屋で必死に声を押し殺し泣いた
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